2016年11月3日木曜日

第7回 微分

第7回 微分


微分です。
微分をどう定義したらいいのか、どう説明したらいいのかがわからず、弱ってます。

微分の定義?
yf(x)という関数があり、xa
が存在するとき、fはxaで微分可能といい、
と書き、f'(a)を関数fxaの微分係数(微分商)という。

このとき、xa+hとかくと、hx-aとなりますので、①式は
と書くことができますにゃ。
x→aのときh→0になのは、わかりますよね?

また、この時、
とすれば、
と書くこともできます。

①~③は、どれも微分(係数)の定義です。

ですから、好きなものを微分の定義に選んでください。

今、話しているのは、あくまでxaという一点での微分可能性の話です。これ以外の点で微分可能かどうかはまた別の話です。

もし、xの至る点で関数fが微分可能であれば、
となって、このf'(x)を導関数と呼びます。
このf'(x)y'と書く場合もあります。
記号的に便利なのは、なのですが、これですと、一点の微分なのか、導関数なのかがわかりにくいという欠点がありますにゃ。そこで、
という少々無理な書き方をしたりしますにゃ。
問題に合わせて、①~③のどれかを使います。

では、例題を幾つか・・・。

例題1
を求めよ。

解答(怪答?)

(1)、(2)、(3)はそれぞれの場合のxaの微分係数ですにゃ。
ちなみに、

勘のいい人はといったような法則性があることに気付かれるんじゃないですか。

では、n0の時は、どうなりますか?
だから、
で、どうやら成り立っているようです。

であるならば、
が成り立ちそうです。
(3)と一致しています。

αが自然数の時は、二項定理や「微分の積の公式と数学帰納法」などを用いて証明します。

【証明】
微分の積の公式
を使いますと、
仮定 
(Ⅰ) n1のとき、なので、仮定は成立する。
(Ⅱ) nkのとき、が成立すると仮定すると
nk+1のとき、
となり、仮定が成立する。
よって、

④が成り立つのは、次回、証明します。
⑤は微分をするときに使う最も重要な公式です。これだけは、絶対に憶えてほしいですにゃ。

nが負の整数の場合は、・・・。
f(x)0でないならば、
で、
と置くと、となるから、
成立する。
(証明終了)

ちなみに、ここで、
を使っています。
これは何を意味するかといいますと、fがxで連続であるということ。ということは、微分できるためには、関数が連続である必要がある!!

αが自然数や整数でない場合の証明は、合成関数の微分と対数微分法を説明してからかな。


問題
x0で微分可能か
【解答】
一方、x > 0では
ゆえに、
x0で左側極限(左側微分係数)と右側極限(右側微分係数)が異なるので、微分可能でない。
(解答終了)

このことから、関数が連続であることは、微分可能であるための十分条件ではないことがわかります。
同時に、微分可能であることは、
であることからわかります。

ちなみに、x0以外では微分可能です。

今回は、
を使って、微分を説明しましたが、
次回は
を使って説明します。

ですから、これに慣れてもらうために、
②の定義に従って、を微分してみます。

ですが、f(x)=x²を微分するとき、わざわざ定義にしたがって計算をする必要はない。
という公式を使って、
として計算してください。
f(x)=x³ならば、
ですから、

ところで、
fがxaで微分可能であるとき、
は幾つになるでしょう?
これは、


実は、
は数値計算をするとき、結構重要なもので、微分の近似計算によく使われます。
つまり、
ですね。

f(x)=x²のとき、

x1の微分係数の近似値を、h0.10.01として求めると、精度の差に愕然としますよ。
誤差風に書くと、
対して、
つまり、誤差の程度がh2乗オーダーとhの1乗オーダーで異なるということを表わしています。
この差は非常に大きい!!
a1h0.1で計算すると、誤差は0.010.31なので30倍も違う!!

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