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2016年9月27日火曜日

第14回 被覆とハイネ・ボレルの被覆定理


実数Rの部分集合Aがあって、Aが集合族被われるとは、
であることをいい、このとき、被覆という。
とくに、が開集合であるとき、A開被覆という。
また、Λが有限集合のとき、すなわち、が有限個のとき、A有限被覆という。
任意の開集合の集合族に対して、かならず、集合族の要素を適当に選んで
と有限個で被えるとき、Aコンパクトという。
その集合がコンパクトであるかどうかということはとっても大切で、実数の場合は、閉集合がコンパクトな集合になる。
そして、ハイネ・ボレルの被覆定理というのは、閉集合がコンパクトであるということを指し示す定理である。

ハイネ・ボレルの被覆定理
Rの任意の閉集合[a,b]はコンパクトである。

ハイネ・ボレルの被覆定理
R
の有界閉集合が開被覆を有するならば、Uから有限のを選んで有界閉集合の有限被覆を作ることができる。

この証明には、ずっと前にやった、
で、かつ、
ならば、
という定理を使う。

と前置きして、いよいよ、この大定理に取り掛かる。

[a,b]
という有限閉集合を考える。これは、a≦x≦bのこと。
この定理は正攻法での証明が難しいので、例によって、背理法を使う。

【証明】
[a,b]を有限被覆で覆えないとすると、
のうちのすくなくとも一方はUの有限個の開集合で被覆できない。その被覆できない閉区間をとする。
同様に、
を考えて、有限個で被覆できないものをとする。
そして、これをさらに繰り返す。の次はというふうに、この操作を繰り返してゆく。
そうすると、次の閉区間の列ができる。
すると、
になる。
さらに、
となり、
となる。
そして、この実数cは、すべてのに共通の要素。
U
[a,b]の開被覆だから、このcを含むUの開集合Oが存在する。
c
は開集合Oの内点なのだから、
となる正の数εが存在する。
だから、十分大きなnをとると、
となる。
このことから、Uに属する一つの開集合Oで被覆され、有限個で被覆できないとした仮定に反する。
よって、有界閉区間は有限個の開集合で被覆できる。
(証明おわり)

何を書いているか、わからないことだろう。
これを書いている私ももわからないのだから(^^

この定理はヒトの理解を寄せ付けない。
この定理は、実数の連続性とほとんど同値だから、ヒトには理解できない。
そういうものですかと、ありがたがって頂くしか無い。
このハイネ・ボレルの被覆定理が成り立つのは、有界な閉集合の場合。例えば、[0,1]と言ったような閉集合、閉区間。
これを例えば、(0,1)というような開集合にしたら、成り立たない。
たとえば、
としたとき、これは開被覆になるのだけれど、有限個で(0,1)を被覆することはできない。

どうして、このハイネ・ボレルの被覆定理という難しい定理を引っ張り出してきたかというと、微分・積分で証明しなかった
関数f(x)が有界閉区間[a,b]で連続であるならば、f(x)[a,b]で一様連続である
という定理の証明に必要だからだ。


2016年9月26日月曜日

第13回 ド・モルガンの法則






第13回 ド・モルガンの法則


論理のド・モルガンの法則
この証明は、
真偽表を書けばいい。

(1)は右の表のようになる。
¬(p∧q)¬p∨¬qの真偽表は一致する。よって、
となる。
(2)下の表のようになり、真偽表が一致するし、
となる。

¬
は命題の否定をあらわし、∧は「かつ」で命題の連言、∨は「または」で命題の選言を表す記号だ。
そして、Tは英語の「True」の略で「真」を意味し、Fは英語の「False」の略で「偽」を表す。
で、この論理のド・モルガンの法則を使うと、集合のド・モルガンの法則が簡単に証明できる。
集合Aの補集合は
のこと。
だから、
 
そして、
よって、
となる。
前回、ABが開集合ならば、その共通部分A∩Bと和集合A∪Bも開集合となるというのをやった。
そして、閉集合は開集合の補集合だというのも前にやった。
だから、ABが開集合ならば、その共通部分A∩Bと和集合A∪Bも開集合なので、
は閉集合になり、ド・モルガンの法則から
となり、閉集合の共通部分、和集合も閉集合となる。
さらに一般的に書くと、
となり、
前回やった定理とこの結果を用いると、

定理
(1) 空集合∅、実数Rは閉集合である。
(2) 任意の有限個の閉集合の和集合は閉集合である。
(3) 任意の閉集合の共通部分は閉集合である。

となる。

この定理は、開集合の方から導いたんだけれど、この定理と閉集合をもとにして導くこともできる。
 
の右辺から左辺の流れにするだけなので。