第22回 曲面
面積分の話をするためには、どうしても、曲面についての議論を避けて通れないので、面積分に入る前に曲面についての話をすることにします。
点Pの位置ベクトルrが2変数uとvの関数であるとき、点Pは一般に曲面をえがく。このとき、
を曲面Sのパラメータ表示という。
①式において、vだけを固定してuを変化させれば、rは曲面S上で一つの曲線をえがく。この曲線をu曲線という。同様に、uを固定してvを変化させれば、rは曲面S上でひとつの曲線をえがき、この曲線をv曲線という。u曲線とv曲線をあわせて座標曲線という。r(u,v)に対応する点をPとすれば、(u,v)を点Pの曲線座標という。
はそれぞれu曲線、v曲線への接線ベクトルである。
曲面S上の任意の点で
であるとする。
曲面r=r(u,v)の上の点P(u,v)において、その点をを通り、2つのベクトルによって決定される平面を点Pにおける曲面の接平面という。接平面に垂直なベクトルを法線ベクトルといい、
を曲線座標(u,v)に対する単位法線ベクトルという。
ベクトルaとベクトルbを隣り合う2辺とする平行四辺形の面積は、
で与えられる。
次の図で示される微小な部分の面積ΔSを考える。
このとき、
と近似できるので、斜線部で示される微小部分の面積ΔSは
になる。
このままでとちょっと見づらいので、
ただし、
それで、これらは曲面r=r(u,v)の第一基本量という。
また、uv平面上の領域Dに対応する曲面の部分の面積Sは
となる。
問題 曲面の方程式がz=f(x,y)で与えられるとき、曲面積の公式を求めよ。
【解】
u=x、v=yとする。このとき、曲面の方程式は
r=r(x,y)=(x,y,f(x,y))
となる。
となる。
よって、
重積分の
第16回 曲面積
第16回 曲面積
のところでも上の公式は求めてある。
曲面には裏と表、内側と外側があるにゃ。だから、法線ベクトルnの向きは2通りあることになるケロ。
で、曲面の法線ベクトルの(正の)向きは、裏から表に向かうものとする。
曲面の裏、表の選び方は任意で良いけれど、曲面が空間の有界な領域を囲んでいる場合、空間領域の外へ向かうようにnの向きをとることにする。
ちなみに、メビウスの帯には表と裏がない。こういう曲面は法線ベクトルの向きを決めることができない。
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