2017年11月12日日曜日

有限要素法の選点法で、2階常微分方程式の境界値問題を解く

有限要素法の選点法で、2階常微分方程式の境界値問題を解く


問題1 次の微分方程式の解を求めよ。
【解】
この微分方程式の特性方程式は
したがって、この微分方程式の基本解はだから、一般解は
である。
境界条件より
これを解くと、
したがって、
(解答終)

これを差分で解くのは芸がないということで、有限要素法選点法を用いてこの微分方程式を解くことにする。
それに先立ち、問題の微分方程式を
と置き換え、問題の微分方程式をzの微分方程式に書き換えると、
になる。
こんとき、この微分方程式の境界条件は
となる。
そこで、この境界条件を満たす関数
を近似解と仮定するケロ。
そこで、(2)のzuに置き換えた
を残差と呼ぶことにする。
もしuが(2)の解であれば、残差は0。しかし、(3)は(2)の解ではないので、R≠0である。
ここで、
となるように重み関数w(x)を調整し、(5)の積分の値が0になるようにする。
そして、(5)を満足する(3)を微分方程式(2)の近似解としようじゃないか。

この重み関数にδ関数
なるナゾの関数を採用し、(5)の積分を行うと
になる。

さてさて、
したがって、
x₀=1/2とすると、(6)より
 
だから、

で、
だから
に違いない。

赤線が厳密解の
青線が
この微分方程式に関する限り、厳密解との差は殆どないという驚きの結果が得られる。

1/3を選点x₀に選ぶと、
したがって、
よって、



この微分方程式の場合、1/2にとったほうが1/3にとったほうが精度がよいことが分かる。

このように微分方程式の解を求める方法を選点法という。

問題2 次の微分方程式を解け。
【解】
同次方程式
の特性方程式は、
したがって、同次方程式の一般解は
特殊解y₀
したがって、この微分方程式の一般解は
である。
境界条件x=0のときy=0より
x=1のときy=0より
よって、
(解答終)

この微分方程式の場合も同様に
とおくと、
となる。
そこで、x=1/2にとると、
したがって、



粗い近似だから合うほうがおかしいケロよ。そこで、精度をあげる方法を考えることにするにゃ。


0 件のコメント:

コメントを投稿