差分法の基礎
f(x)を何回でも微分可能な関数とすると、テーラーの定理より、f(x)はx=aの近傍で
と展開することが可能である。
ここで、記号Oはランダウの(ビッグ)Oで
ある。
したがって、n=1,2,3とすると、
が成り立つ。
また、hを−hに置き換え、
を得ることができる。
(3)式より、h≠0のとき、
となり、このことからf'(a)を
と近似したときの誤差はhのオーダー、であると予想できる。
このことは、拡張された平均値の定理
より、h≠0のとき、
となり、f''(x)は
で連続だから
となるMが存在し、
となり、
と近似した誤差が|h|のオーダー程度であることが確かめられる。
f(x)がxの1次関数の時、
なので、
が成立すので、(6)は1次の精度である。
さらにa=0とし、hを変化させ、
と近似したときの誤差を求めてみると、右の図のようになる。
横軸にはh、縦軸に誤差をとり、対数グラフで結果を表している。
この直選の傾きが1であることから、(6)の近似式の誤差がhの1次オーダーであることが確かめられる。
このことを、
と表すことにする。また、f'(a)のこの近似式を前進差分と呼ぶことにする。
が得られる。
(8)式で与えられるf'(a)の近似式を中心差分と呼び、この近似式の誤差はhの2次のオーダーであることと予想できる。
さらにa=0とし、hを変化させ、
と近似したときの誤差を求めると右図のようになる。このときの直線(緑色の直線)の勾配は2であり、この近似式の誤差はhの2次オーダーであることがわかる。
f(x)がxの2次関数であるとき、
となるので、
が成立する。したがって、この近似式は2次の精度を持っている。
要するに、という記号は、n次の精度で、誤差の程度はのオーダーであり、hを1/10にすると、誤差はになるということを表していると考えることができる。
の近似式を求めるために、(5)と(5’)の辺々を加えると、
したがって、
という近似式は、2次の精度をもっており、誤差はh²程度ということになる。
この直線の傾きは2であり、誤差がhの2次のオーダーであることが確かめられる。
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