2017年7月7日金曜日

第11回 合成関数の微分法2

第11回 合成関数の微分法2


定理12
関数f(x,y)が領域Dで全微分可能であり、関数φ(t)ψ(t)が区間Iで微分可能かつφ(t),ψ(t)∈Iであれば、合成関数F(t)=f(φ(t),ψ(t))は区間Iで微分可能で
が成り立つ。
z=f(x,y)x=φ(t)y=ψ(t)とすると、
【証明】
φ(t+τ)–φ(t)=h(τ)ψ(t+τ)–ψ(t)=k(τ)とする。
関数fは(全)微分可能だから、
τ≠0のとき、
τ→0のとき、φ(t)ψ(t)は微分可能だから
また、
よって、F(t)は微分可能で、
になる。
(証明終)

インチキだが、上の証明よりも、機械的に次のようにしたほうが直観的にわかりやすいだろう。
これをdtで割ると、

問1 z=z(x,y)級とする。次の関係から、を求めよ。
【解】
だから、
(解答終了)

定理13
z=f(x,y)
が全微分可能なとき、x=x(u,v)およびy=y(u,v)u,vの微分可能な関数な関数ならば、合成関数f(x(u,v),y(u,v))u,vの微分可能な関数であって、
である。
【証明】
vを固定すると、z=f(x(u,v),y(u,v))uの関数と考えることができるので、定理より
同様に、uを固定すると、
である。
(証明終)

行列を用いて書くと、

問2 z=f(x,y)において、直交座表xyx=rcosθy=rsinθによって極座標rθに変換するとき、次の関係が成り立つことを示せ。
【解答】
(1)

(2)

(解答終)

(2)は、ラプラスの方程式を極座標に書き換えたもので、
と書いたほうが覚えやすいのかもしれない。


0 件のコメント:

コメントを投稿