2019年9月22日日曜日

第24回 テーラー展開

第24回 テーラー展開


定理 (テーラーの定理)
f(x)abを含む区間In回微分可能ならば、abの間の適当なcを選べば
が成り立つ。
【証明】
とし、F(a)=f(b)となるように定数Kを定める。
すると、F(a)=F(b)=f(b)となり、F(x)はロールの定理の条件を満たす。
F(x)を微分すると、
したがって、ロールの定理より
を満たすcabの間に存在し、b≠cだから
である。
ゆえに、
(証明終)

n=1とすると、平均値の定理が得られる。
また、
b=xとおき、(1)を書き換えると、
ここで、はラグランジュの剰余項である。

関数f(x)級ならば、すべてのnについて(2)が成り立つ。よって、
となる点では、
となる。この級数をf(x)x=aまわりのテーラー級数という。
特に、a=0としたときのテーラー級数
をマクローリン級数という。

問1 次の関数をマクローリン展開せよ。
【解】
(1) n次導関数は
だから、

(2) n次導関数は
だから、

(3) とおくと、
だから、
(解答終)

であることに注意。

ここで、さり気なく、のマクローリン級数の収束の証明をせずに、次の公式を提示する。


無限級数、べき級数のところで、無限級数の収束判定法を紹介するので、それまで保留ということで。


問2 次の関数をマクローリン展開せよ。
【解】
(1) f(x)=sin xn次導関数は
だから、
したがって、

(2) f(x)=cos xn次導関数は
だから、
よって、
(解答終)

(注意)
sin xcos xのマクローリン展開については
とするものもあるので注意。


問2の(1)、(2)の剰余項に注目すると、それぞれ、
なので、マクローリン級数は収束し、


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