第28回 不定積分
ある区間で定義されている関数f(x)に対して、この区間の全ての点で
である関数F(x)をf(x)の原始関数という。
定理1
関数F(x)がf(x)の原始関数、すなわち、F'(x)=f(x)ならば、F(x)+C(Cは定数)も原始関数である。関数G(x)がf(x)の他の原始関数ならば、G(x)−F(x)は区間Iで定数である。
【証明】
F(x)はf(x)の原始関数なので、
したがって、
よって、F(x)+Cもf(x)の原始関数である。
仮定より、G(x)もf(x)の原始関数なので
したがって、
よって、
(証明終)
f(x)の原始関数の全てをf(x)の不定積分(注)といい、記号
で表す。
F(x)を原始関数の1つとすると、定理1より、
である。
f(x)の不定積分を求めることをf(x)を積分するといい、式(2)の任意定数Cを積分定数という。また、f(x)を被積分関数という。
(注)
原始関数を不定積分と呼ぶ流儀、
や
を不定積分とする流儀がある。
(注終)
次に、代表的な関数の不定積分の公式を示す。
定理2
ここで、
である。
上の公式の中で覚える必要があるのは、
など限られたもので、これは、次の微分公式から直ちに導き出すことができる。
問1 定理2の右辺を微分することによって、定理2が成り立つことを確かめよ。
定理2
【証明】
したがって、はαf(x)+βg(x)の不定積分である。
(証明終)
問2 次の不定積分を求めよ。
【解】
(解答終)
問3 次の条件に当てはまる関数f(x)を求めよ。
【解】
(1) f'(x)=x√xの両辺を積分すると、
f(0)=1だから、C=1。
よって、
(2) f''(x)=−2x+3の両辺を積分すると、
f'(0)=−2だから、C₁=−2。
よって、
この両辺をで積分すると、
f(0)=1だから、C₀=1。
よって、
(解答終)
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