2017年3月14日火曜日

第1回 定積分(リーマン積分)の定義

第1回 定積分(リーマン積分)の定義


リーマン和の定義
有界閉区間[a,b]の分割
に対し、を選んで
リーマン和と呼び、
分割の幅という。

(リーマン)積分の定義
関数f(x)は有界閉区間[a,b]で有界とする。
任意の分割Δとそのそれぞれののなかの任意のに対して
であるとき、関数f(x)[a,b]で積分可能といい、
とあらわす。

たとえば、閉区間[0,1]で定義される関数f(x)=xがあるとする。[0,1]を次のように
n等分し、その小区間
をとると、このリーマン和は
となり、
である。
しかし、このことをもって、
としてはいけない。
この結果は、確かに、
と一致する。
しかし、①は[0,1]n等分するという特定の分割のものであって、さらにその特定の
という点をとったリーマン和に過ぎず、分割によって、また、のとり方によって値が変わってくるかもしれないからだ。

そこで、次の問題。

問題 x∈[0,1]で定義される次の関数
が(リーマン)積分可能でないことを示せ。
【解】
[0,1]n等分、すなわち、
と分割する。
そして、をとると、これは有理数だから、
内の無理数ををとると
よって、積分可能でない。
(解答終)

高校の数学では、定積分を区分求積法
で定義したが、この定積分の定義を問題1に用いると、
と、積分可能になってしまう(^^)
この積分の定義⑨のままでは都合が悪いことがわかってもらえたと思う。

さてさて、
の証明。

f(x)=x[0,1]の分割を
とする。
の中点に選ぶと、
また、すべての分割Δのそれぞれのの任意のに対して
したがって、
である。


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