2017年7月13日木曜日

第14回 2変数関数の極値

第14回 2変数関数の極値


極値
(a,b)を関数f(x,y)の定義域内の点とする。点(a,b)を含まない点(a,b)の近傍内の全ての点に対して、
(1) f(x,y)<f(a,b)が成り立つとき、関数f(x,y)は点(a,b)極小になるといい、その値f(a,b)極大値という。
(2) f'(a,b)<f(x,y)が成り立つとき、 関数f(x,y)は点(a,b)極大になるといい、その値f(a,b)極小値という

定理15
関数f(x,y)が偏微分可能なとき、点(a,b)で極値を取るならば
である。
【証明】
y=bと固定し、φ(x)=f(x,b)とおくと、φ(x)は点aで極値をとるのでφ’(a)=0である。よって、である。
も同様。
(証明終)

停留点
f(x,y)が偏微分可能のとき、である点を停留点という。

例1 f(x,y)=x²+y²とすると、
したがって、f(x,y)は点(0,0)で極小で、0が極小値。
また、このとき、だからで定理を満たしていることがわかる。

問 f(x,y)=x²–xy+y²の極値を求めよ。
【解】
したがって、f(x,y)は点(0,0)で極小、極小値は0
(解答終)

上の問の関数f(x,y)=x–xy+y²は偏微分可能だから、定理より、極値を取る点で
にならなければならない。これを解くと(x,y)=(0,0)となり、を満たしていることがわかる。
f(x,y)=x²–y³があるとする。このとき、だから、(0,0)となり停留点であるが、f(x,y)は点(0,0)で極値を取らない。何故ならば、r>0とすると、f(0,r)= –r³<0f(0,–r )=–r ³>0となり、点(0,0)を含まない点(0,0)の近傍内の任意の点でf(x,y)<f(0,0)でもf(x,y)>f(0,0)でもないからである。
このことから、という条件は、f(x,y)が点(a,b)で極値を取るために必要な条件に過ぎないことが理解できるだろう。


定理16 (極値の判別式)
f(x,y)は領域D級の関数とする。(a,b)f(x,y)の停留点とし
とおくとき、次のことが成り立つ。
(ⅰ) D>0のとき
ならば、f(x,y)は点(a,b)で極小、
ならば、f(x,y)は点(a,b)で極大となる。
(ⅱ) D<0のとき、f(x,y)は点(a,b)で極大でも極小でもない。
(ⅲ) D=0のとき、2階の偏微分係数だけからは判定できない。
【証明】
2変数のテーラーの定理より
(a,b)は停留点だから、であるから、
ここで、
とおくと、
となる。
のとき、f(x,y)級だから、(h,k)≠(0,0)で|h|と|k|が小さいとき、になるから、 となり、f(a,b)は極小値になる。
のとき、同様に、になり、 となり、f(a,b)は極大値になる。

のとき、ならばにできるが、h=rcosθ,k=rsinθとおくと、cosθ≠0のとき、
−∞<tanθ<∞だから、Δzθの値によって正にも負にもなり、したがって、このとき極大でも極小でもない。
(証明終)

D=AC–B²<0の場合の証明は胡散臭い気もするが、これでよしとしよう(^^

この定理を使うと、例1のf(x,y)=x²+y²の場合、となり、D>0より点(0,0)で極小と判定できる。
例2の場合はだから、より、点(0,0)で極小と判定できる。
f(x,y)=x²–y³の場合、 だから、D=0となり、停留点(0,0)における2階の偏微分係数を用いた判定は出来ず、別の方法で極値かいなかの判定を行わなければならない。

ところで、f(x,y)級であるとき、判別式Dは、行列式を使って
と書くことができる。
この行列式
を、関数f(x,y)のヘッシアンといい、記号H(x,y)で表す。
この行列式の元の行列
をヘッセ行列という。
f(x,y)級のとき、だから、ヘッセ行列は対称行列で
である。

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