2016年3月27日日曜日

第42回 直交軸とベクトル2

第42回 直交軸とベクトル2


直交軸の変換によって直角座標は次のように変換される。
  
だから、
  
となり、
  
となる。
また、
  
だから、
  
となる。

ということで、問題。

問題1 をスカラー関数とすれば、
  
はベクトルである。
【解】
の座標における値をとすれば、だから
  
となる。
(2)より
  
だから、
  
となり、
  
はベクトルである。

ちなみに、問題1はスカラー関数の勾配だケロ。

問題2 をベクトル場とするとき、
  
はスカラーである。
【解】
  
で、
  
よって、
  
だから、
  
で、
  
なるので、
  
となり、値は変わらない。つまり、スカラーである。

このことは、ベクトルの発散は座標軸のとり方によって値は変わらない、ということを言っている。

何を書いているかわからないだろう。わからないのが普通だから、今は気に病むことはないケロ。
これはもうベクトルを越えてテンソルに入っているんだからわからなくて当たり前。

オレはこの記事の式を作っている時に、どこまで式を作っているかわからなくなり、パニクったにゃ。

これでベクトル解析は終わりです。
お疲れ様でした。


「ダイバージェンスイブ」から「Pump up!」





2016年3月26日土曜日

第41回 直交軸の変換とベクトル

第41回 直交軸の変換とベクトル


直交軸の変換
  
によって直交座標は
  
に変換される。
Aを始点、点Bを終点とするベクトルvとする。さらに、A,Bの座標をとすれば、直交軸の変換によっては次のように変換される。
  
よって、
  
になる。
軸とx’¹x’²x’³軸に対するvの成分をそれぞれとすれば
  
となり、
  
によって、ベクトルvの成分は次のように変換される。
  
この(4)が(3)による直交軸の変換によるベクトルの成分の変換式ということになる。

ということで、新たなベクトルの定義を提示。

順序のある3つの数の組があるとする。直交座標の変換
  
によって
  
のように変換されるとき、この3つの数の組をベクトルといい、のおのおのをベクトルの成分という。
これに対して、直交座標の変換によって値が変わらないものをスカラーまたは不変量という。

をベクトルとするとき、で与えられる3つの数の組はベクトルになる。
はベクトルなので、
  
となり、
  
となる。
そして、とおけば、
  
になるので、はベクトルということになる。

また、φをスカラーとするとき、もベクトルになる。
とする。
  
となるので、はベクトルである。


問題1 2つのベクトルをとすれば、
  
はスカラーである。
【解】
    
よって
    
で、
  
となるので、
  

第40回で出てきたクロネッカーのデルタが大活躍している。ちなみに、クロネッカーのデルタとは
  
の値をもつ9個の数の組のこと。

この問題の言わんとしていることは、直交軸の変換によってベクトルの内積は不変であるということ。


問題2 ベクトルがスカラー変数tの関数であるとき、
がベクトルであることを証明せよ。
【解】
  
この両辺をtで微分すれば、
  
よって、ベクトルである。