2016年3月23日水曜日

第39回 直交軸の変換

第39回 直交軸の変換


ここで、直交軸の変換として扱う対象は、原点を変えない、右手系の直交軸から右手系の直交軸への変換とする。

また、直交座標を表すのに、xyzのかわりに、を用い、基本ベクトルの表記は、これまで使ってきたijkではなく、eeeを用いる。ベクトルvの成分はではなく、v₁v₂v₃であらわすことにする。

(注意)xevの上下についている数字1、2、3を指標という。は、xの1乗、2乗、3乗の意味ではないので、注意!!

直交軸Ox¹Ox²Ox³を他の直交軸Ox’¹Ox’²Ox’³に変える場合を考える。
このとき、軸、軸、軸に対する基本ベクトルをeeeとし、x’¹軸、x’²軸、x’³軸に対する基本ベクトルをeeeとする。さらに、点P軸、軸、軸に対する座標をとし、x’¹軸、x’²軸、x’³軸に対する座標をx’¹x’²x’³とする。

軸、軸、軸に対するx’¹軸、x’²軸、x’³軸の方向余弦、つまり、eeeの方向余弦は、それぞれ次のようになる。
  
逆に、x’¹軸、x’²軸、x’³軸に対する軸、軸、軸の方向余弦、つまり、eeeの方向余弦は
  
となる。
上と下の指標が逆になっているので注意が必要。

ということで、
 
また、
 
となる。

なのだけれど、実は(1)から(2)を、(2)から(1)を直接導くことができる。やってみる。
  
で、e軸、軸、軸に対する方向余弦をl₁m₁n₁と書くことにする。そうすると、
  
よって、
  
だから、
  
となり、
  
同様に、
  
となる。

(1)と(2)のように、いちいち、成分に分けて書くのは面倒なので、
  
とまとめて書くことにする。

さらに、直交軸が(1)のように変換されるとき、点の座標の変化を調べることにする。
P軸、軸、軸に対する座標を、また、x’¹軸、軸、x’³軸に対する座標をx’¹x’²x’³とする。
  
もう一度言うけれど、xの1乗、2乗、3乗の意味ではない!!
(3)式から
  
また、
  
だから、
  
つまり、
  
となる。
ijという指標のローマ字には特に意味はないので、(4)のijを入れ替えて、
  
とする。
 ――このあたりは融通無碍というか、首尾一貫していないと言おうか――

なのですが、⑨よりは行列を使った方がわかりやすいだろうから、行列を使って書くと、
  
となる。
これからだいたい推測がつくだろうけれど、
  
となる。
そして、
  
が成立するので、
  
になるのであった。
同様に、
になるのであった。

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