第39回 直交軸の変換
ここで、直交軸の変換として扱う対象は、原点を変えない、右手系の直交軸から右手系の直交軸への変換とする。
また、直交座標を表すのに、x、y、zのかわりに、x¹、x²、x³を用い、基本ベクトルの表記は、これまで使ってきたi、j、kではなく、e₁、e₂、e₃を用いる。ベクトルvの成分はではなく、v₁、v₂、v₃であらわすことにする。
(注意)x、e、vの上下についている数字1、2、3を指標という。x¹、x²、x³は、xの1乗、2乗、3乗の意味ではないので、注意!!
直交軸Ox¹、Ox²、Ox³を他の直交軸Ox’¹、Ox’²、Ox’³に変える場合を考える。
このとき、x¹軸、x²軸、x³軸に対する基本ベクトルをe₁、e₂、e₃とし、x’¹軸、x’²軸、x’³軸に対する基本ベクトルをe’₁、e’₂、e’₃とする。さらに、点Pのx¹軸、x²軸、x³軸に対する座標をx¹、x²、x³とし、x’¹軸、x’²軸、x’³軸に対する座標をx’¹、x’²、x’³とする。
x¹軸、x²軸、x³軸に対するx’¹軸、x’²軸、x’³軸の方向余弦、つまり、e’₁、e’₂、e’₃の方向余弦は、それぞれ次のようになる。
逆に、x’¹軸、x’²軸、x’³軸に対するx¹軸、x²軸、x³軸の方向余弦、つまり、e₁、e₂、e₃の方向余弦は
となる。
上と下の指標が逆になっているので注意が必要。
ということで、
また、
となる。
なのだけれど、実は(1)から(2)を、(2)から(1)を直接導くことができる。やってみる。
で、e’₁のx¹軸、x²軸、x³軸に対する方向余弦をl₁、m₁、n₁と書くことにする。そうすると、
よって、
だから、
となり、
同様に、
となる。
(1)と(2)のように、いちいち、成分に分けて書くのは面倒なので、
とまとめて書くことにする。
さらに、直交軸が(1)のように変換されるとき、点の座標の変化を調べることにする。
点Pのx¹軸、x²軸、x³軸に対する座標をx¹、x²、x³、また、x’¹軸、x²軸、x’³軸に対する座標をx’¹、x’²、x’³とする。
もう一度言うけれど、x¹、x²、x³はxの1乗、2乗、3乗の意味ではない!!
(3)式から
また、
だから、
つまり、
となる。
iやjという指標のローマ字には特に意味はないので、(4)のiとjを入れ替えて、
とする。
――このあたりは融通無碍というか、首尾一貫していないと言おうか――
なのですが、⑨よりは行列を使った方がわかりやすいだろうから、行列を使って書くと、
となる。
これからだいたい推測がつくだろうけれど、
となる。
そして、
が成立するので、
になるのであった。
同様に、
になるのであった。
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