第41回 直交軸の変換とベクトル
直交軸の変換
によって直交座標は
に変換される。
点Aを始点、点Bを終点とするベクトルをvとする。さらに、A,Bの座標をとすれば、直交軸の変換によっては次のように変換される。
よって、
になる。
x¹、x²、x³軸とx’¹、x’²、x’³軸に対するvの成分をそれぞれとすれば
となり、
によって、ベクトルvの成分は次のように変換される。
この(4)が(3)による直交軸の変換によるベクトルの成分の変換式ということになる。
ということで、新たなベクトルの定義を提示。
順序のある3つの数の組v¹、v²、v³があるとする。直交座標の変換
によって
のように変換されるとき、この3つの数の組をベクトルといい、のおのおのをベクトルの成分という。
これに対して、直交座標の変換によって値が変わらないものをスカラーまたは不変量という。
をベクトルとするとき、で与えられる3つの数の組はベクトルになる。
はベクトルなので、
となり、
となる。
そして、とおけば、
になるので、はベクトルということになる。
また、φをスカラーとするとき、もベクトルになる。
、とする。
となるので、はベクトルである。
問題1 2つのベクトルをとすれば、
はスカラーである。
【解】
よって
で、
となるので、
第40回で出てきたクロネッカーのデルタが大活躍している。ちなみに、クロネッカーのデルタとは
の値をもつ9個の数の組のこと。
この問題の言わんとしていることは、直交軸の変換によってベクトルの内積は不変であるということ。
問題2 ベクトルがスカラー変数tの関数であるとき、
がベクトルであることを証明せよ。
【解】
この両辺をtで微分すれば、
よって、ベクトルである。
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