2016年3月14日月曜日

第33回 曲線座標

第33回 曲線座標


直交座標xyzの関数
  u=F(x,y,z), v=G(x,y,z), w=H(x,y,z)   ①
があるとする。このとき、ヤコビアン
  
が0でなければ、①はx,y,zについて解くことができ、
  x=f(u,v,w), y=g(u,v,w), z=h(u,v,w)
が得られる。そして、x,y,zの値の一組にはu,v,wの値の一組が対応し、逆にu,v,wの値の一組に対してx,y,zの値の一組が対応するから、u,v,wの組を座標と考えることができ、これを曲線座標という。

いま仮にc₁を定数とし、u=c₁とすると、F(x,y,z)=c₁は一つの曲面をえがく。そして、c₁を変化させれば、曲面群が得られる。同様に、v=c₂w=c₃とすれば、2種類の曲面群が得られ、この3つの曲面群を座標曲面という。

たとえば、
  
だとする。u=c₁とすると、
  
となり、原点を中心とする半径c₁の球面がその曲面になる。そして、c₁の値を変化させれば、一つの曲面群が得られる。
そう言った話。

2つの座標曲面v=c₂w=c₃の交わりは曲線でこれをu曲線という。u曲線に沿っては、v=c₂w=c₃なのでvwは一定で、uの値だけが変化する。同様にして、w=c₃u=c₁の交わりをv曲線u=c₁v=c₂の交わりをw曲線という。

任意の点をPとすれば、Pを通るu曲線、v曲線、w曲線が一つずつ存在する。Pを始点とし、u曲線に接し、uの増加する向きに向かう単位ベクトルをuとする。同様に、v曲線、w曲線に接し、uvの増加する向きに向かう単位ベクトルをvwとする。

そうすると、下の図のような座標系が得られる。



で、各点で3つのベクトル、uvwが互いに直交するものとする。この時、このとき、uvw直交曲線座標という。なお、uvwは右手系をなすものとする。
(x,y,z)の位置ベクトルをrとすれば、線元素ds
  
曲線座標では、druvwの関数だから
  
そして、∂r/∂u、∂r/∂v、∂r/∂wuvwと同じ向きのベクトルであるから、それぞれが互いに直交する。
  
よって、
  
だから、

  
と置くと、
  
となる。
したがって、u曲線、v曲線,w曲線の弧長をそれぞれs₁s₂s₃とすると
  
となる。

直交曲線座標では、uは曲面u=c₁に垂直で、uの増加する向きに向かう単位ベクトルだから
  
v、∇wについても同様だから
  
したがって、u=h₁∇uv=h₂∇vw=h₃∇wになる。
ベクトルAを、その始点Pにおけるuvwの方向に分解して、
  
であるとする。このとき、をそれぞれ曲線座標uvwに関するAの成分、または、Au成分、v成分、w成分という。

このuvwは直交座標のijkとは異なり、始点Pの位置によって向きが変わるにゃ。

例として、3次元の極座標をあげることにするにゃ。


0 件のコメント:

コメントを投稿