2017年5月11日木曜日

第7回 定積分の性質2

第7回 定積分の性質2


定理7
関数f(x)g(x)が有界閉区間I上で積分可能ならば、f(x)g(x)I上で積分可能である。
【証明】
f(x)g(x)I上で有界だから、
となる定数MM>0)が存在する。
y∈Iとすると、
したがって、Iの任意の分割をΔとすれば、振幅は
よって、
f(x)g(x)I上で積分可能だから、|Δ|→0のとき
だから、
となり、f(x)g(x)I上で積分可能である。
(証明終)

よって、有界閉区間I上で連続な関数f(x),g(x)I上で積分可能だから、上の定理からf(x)g(x)I上で積分可能である。
また、f(x)を有界閉区間I上で連続、g(x)I上で積分可能のとき、f(x)g(x)I上で積分可能である。

定理8
関数f(x)が有界閉区間I上で積分可能でf(x)>0、さらにが有界ならば、I上で積分可能である。
【証明】
f(x)I上で有界だから
である定数M>0が存在する。
したがって、x,y∈Iに対して
Iの任意の分割をΔとすると
f(x)I上で積分可能だから
よって、
したがって、1/f(x)I上で積分可能である。
(証明終)

上の2つの定理から、f(x)g(x)が有界閉区間I上で積分可能でf(x)≠0ならば、f(x)/g(x)I上で積分可能ということになる。


定理9
関数f(x)が有界閉区間I=[a,b]上で積分可能ならば、|f(x)|はI上で積分可能で
である。
【証明】
xy∈Iに対して
Iの任意の分割をΔとすると、
よって、
f(x)I上で積分可能だから
したがって、
となり、|f(x)|はI上で積分可能である。
また、
よって、
(証明終)


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