2017年6月21日水曜日

第1回 ユークリッド空間の開集合、閉集合、境界

第1回 ユークリッド空間の開集合、閉集合、境界


2次元ユークリッド空間の点P(x₁,y₁)Q(x₂,y₂)の距離を
と定義する。
このとき、距離には次の性質がある。

定義
ε>0
と座標平面上の点a=(x₀,y₀)∈R²に対して
を点aε近傍という。

開集合と閉集合

Aの部分集合とする。
a∈Aに対して、
となるε>0が存在するとき、aA内点という。Aの内点の全ての集合をA内部といい、記号で表す。また、の点はAの内点だから
である。
の点aについて
となるε>0が存在するとき、aA外点という。Aの外点全体の集合をA外部といい、記号と表す。A
の点aAの内点でも外点でもないとき、aA境界点という。Aの境界点全体の集合
Aの境界といい、∂Aで表す。
したがって、の点が境界点であるとは、任意のε>0に対して
が成り立つことである。
定義から
が成り立つ。
の点aについて、任意の正数ε>0に対しても
が成り立つとき、をA触点という。Aの触点全体の集合を閉包といい、で表す。集合Aの点はAの触点だから、
である。また、定義から明らかなように
である。

の部分集合Aについて、が成り立つときAを閉集合といい、が成り立つとき閉集合という。

以上のことより、次の定理が成り立つ。

定理1 2次元ユークリッド空間において、開集合の補集合は閉集合、閉集合の補集合は開集合である。

は開集合である。
【解】
aを集合Aの任意の点とする。
にとり、とする。
三角不等式から
よって、
したがって、Aは開集合である。
(解答終)

あるいは、

【別解】
集合Aの任意の点aの座標を(x₀,y₀)とすると、
そこで、
にとると、
である。
(解答終)


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