第4回 2変数関数の極限の計算例
問題1 次の極限を求めよ。
【解】
とすると、|x|≦r、|y|≦r。したがって、r→0+0のとき、|x|→0、|y|→0になる。
(1) (x,y)≠(0,0)とする。
よって、
(2) x=t、y=mtとおき、t→0として、(x,y)を(0,0)に近づける。
このとき、極限値は
mの値によって、つまり、(x,y)の(0,0)への近づき方によって極限値が変化するので、この極限値は存在しない。
(3)
(解答終了)
x=rcosθ、y=rsinθと極座標に変換して、r→0+0の極限を求める方法もある。このとき、極限値がθにかかわらず一定の値に収束すれば、その値が極限値である。
【別解】
(1)
とおき、x=rcosθ、y=rsinθを代入すると、
(2)
とする。
この極限はθの値によって変わるので、極限
は存在しない。
(解答終了)
問題2 次の極限を求めよ。
【解】
(1) x軸に沿って(0,0)に近づく、要するにy=0として、x→0とすると、
y軸に沿って(0,0)に近づける、要するにx=0として、y→0とすると、
この2つの極限が一致しないので、は存在しない。
(別解)
直線y=mxにそって(0,0)に近づけると
mの値によって極限値が変わるので、は存在しない。
(2) x軸にそって(0,0)に近づけると、
y軸にそって(0,0)に近づけると
よって、極限は存在しない。
(3) とおくと、
(別解)
(解答終了)
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