2017年6月25日日曜日

第5回 2変数関数の連続

第5回 2変数関数の連続


2変数関数の一点での連続の定義
関数f(x,y)の部分集合Dで定義されており、(a,b)∈Dとする。
(a,b)Dの内点で
であるとき、f(x,y)は点(a,b)で連続という。
すなわち、任意のε>0に対して、あるδ>0が存在し、
(a,b)Dの境界点の場合、Dの内部から(a,b)に近づいたとき、
を満たすとき、f(x,y)は点(a,b)で連続という。

証明は1変数の場合と証明は同様なので、定理だけを紹介する。

定理4
関数f(x,y)g(x,y)が点(a,b)で連続で、λμが実数の定数とすると、
も連続である。

さらに、合成関数の連続についての定理を紹介する。

定理5
u=g(x,y)が点(a,b)で連続、z=f(u)u=g(a,b)で連続ならば、合成関数z=f(g(x,y))は点(a,b)で連続である。
【略証】
z=f(u)u=g(a,b)で連続だから、任意のε>0に対して、あるδ₁>0があって、
u=g(x,y)は点(a,b)で連続だから任意のε'>0に対して、あるδ>0があって、
そこで、ε'=δ₁にとり、それに合せてδ>0を定めると、
(略証終)


定理6
u=φ(t)v=ψ(t)が点t=aで連続、z=f(x,y)が点(φ(a),ψ(a))で連続ならば、合成関数z=f(φ(t),ψ(t))は点t=aで連続である。
【略証】
z=f(x,y)は点(φ(a),ψ(a))で連続だから、任意のε>0に対して、あるδ'>0があって
である。
また、u=φ(t)v=ψ(t)が点t=aで連続だから、ε'=δ'>0に対して、あるδ₁>0δ₂>0があって
δ=min{δ₁,δ₂}にとると、
(略証終)


問 次の関数は(0,0)で連続か。
【解】
とおくと、
よって、f(x,y)は点(0,0)で連続。
(解答終)

定義 2変数関数の連続性
関数f(x,y)の部分集合Dで定義されていて、任意の点(a,b)∈Df(x,y)が連続であるとき、f(x,y)D上で連続であるという。

定理7
関数f(x,y)g(x,y)D⊂R²で連続で、λμが実数の定数とすると、
も連続である。


問2 次の関数の連続性を調べよ。
【解】
(1)、(2)、(3)とも(x,y)≠(0,0)では連続。したがって、(x,y)=(0,0)で連続か否かを調べればよい。
とおくと、|x|≦r、|y|≦r
(x,y)≠(0,0)とする。
(1)
よって、(0,0)f(x,y)は連続。
したがって、f(x,y)で連続である。

(2) x=2ty=tとおき、t→0として、(0,0)に近づけると
となり、(0,0)f(x,y)は連続でない。
よって、f(x,y)は原点以外で連続である。

(3)
よって、f(x,y)(0,0)で連続。
したがって、f(x,y)で連続。
(解答終)


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