2019年10月5日土曜日

第36回 微積分の基本定理

第36回 微積分の基本定理


f(x)[a,b]で連続ならば、f(x)[a,b]で積分可能である。

定理1 (積分の平均値定理)
f(x)[a,b]で連続ならば、
を満たすξが存在する。
【証明】
f(x)[a,b]で定数cのとき、
だから、
となり、a<ξ<bである、任意のξについて成り立つ。
f(x)[a,b]で定数でないとき、f(x)は有界閉区間[a,b]で最小値mと最大値Mを持つ。
したがって、中間値の定理より
(証明終)

定理2
f(x)は区間Iで連続とする。定点と任意のに対し、
とおくと、F(x)Iの各点xで微分可能で、
【証明】
f(x)Iで連続だから、積分の平均値の定理より
となるθが存在する。
したがって、
(証明終)

定理3
f(x)[a,b]で連続とする。F(x)f(x)の原始関数、すなわち、
ならば、
【証明】
定理2より
f(x)の原始関数の1つで、
したがって、
だから、
したがって、
(証明終)

問1 次の定積分の値を求めよ。
【解】
(1) の原始関数なので、

(2)

(3)
m≠nのとき

m=nのとき、
(解答終)

問2 f(x)[a,b]で連続な関数とするとき、次のことを示せ。
任意のx∈[a,b]に対してならば、である。
【解】
の両辺を微分すると、
(解答終)

問3 次の条件を満たす連続な関数f(x)を求めよ。
【解】
(1) は定数なので、
とおくと、
したがって、
よって、

(2) 両辺を微分すると、
両辺を積分すると
また、
だから、x=1を代入すると、
よって、
したがって、
(解答終)


問4 次のことを示せ。
(1) f(x)が区間Iで連続、φ(x)が区間Jで微分可能であって、ならば、a∈Iと任意のx∈Iに対して、
(2) f(x)が実数全体の集合Rで連続であって、任意のxh∈Rに対して
ならば、f(x)は定数値関数である。
【解】
(1) とおくと、
Fφが微分可能であるから、Φは微分可能であって、
また、
だから、

(2) xを固定し、両辺をhで微分すると、
これが任意のhについて成り立つので、f(x)は定数値関数である。
特にh=−xとすれば、
(解答終)


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