2016年3月13日日曜日

第32回 ベクトルの積分定理のプチ演習

第32回 ベクトルの積分定理のプチ演習


これまでにベクトルの積分の定理として
ガウスの発散定理
そして、
ストークスの定理
を学んできた。
Vは曲面Sに囲まれる領域、Sは閉曲線Cに囲まれた領域。

この2つを使ったプチ演習をやってみることにするにゃ。


問題1 閉曲線にそって
  
【解】
r=xi+yj+zkとする。
  
で、ストークスの定理より
  
【別解】
  

問題にはないけれど、∇×r=0だからr
  
というポテンシャルをもつ。
φの勾配∇φを求めると
  
となることから、φrのポテンシャルであることが確かめられる。


問題2 閉曲線に沿って
 
【解】
  ∇(φψ)=(∇φ)ψ+φ(∇ψ)=ψ(∇φ)+φ(∇ψ)
よって
  
ストークスの定理より
  
なぜならば、∇×{∇(φψ)}=0だから。
  

【別解】
  
よって、チョメチョメ。

問題3 A=2xyi+(x²−y²)jのとき、xy平面上で、原点から点(1,1,0)に至る曲線x=y²に沿ってのAの線積分を求めよ。
【解】
曲線C上の点をr=i+tj0≦t≦1)とすると、dr=(dx/dt)i+(dy/dt)j=(2ti+j)dtになる。
よって、
  

定義に従えば、こうなるのだけれど、この場合∇×A=0になっているので、実はこの線積分の値は経路によらない。
でだ、C₁x=y=t0≦t≦1)とすると、C₁上ではx²−y²=t²−t²=0になるので、
  
となる。


問題4 曲面Sで囲まれた領域の体積をVとすると
  
【解答】
  
だケロ。
で、問題の右辺にガウスの発散定理を使うと
  


問題5 A=axi+byj+czkabcは定数)のとき、原点を中心とする半径1の球面上のAの面積分を求めよ。
【解】
ガウスの発散定理を使ってくださいと言わんばかりの問題だケロ。
  

問題4と問題5のは曲面Sで囲まれた領域の体積。問題5の場合半径1の球の体積だから、この値は4π/3になる。

もうすこし本格的な問題を解きたいと思う人は次の問題に挑戦してください。

宿題 座標平面および3平面x=2y=2z=2で囲まれた立方体の表面をSとするとき、
S上のA=x²i+xyj+zkの面積分を求めよ。
(答)32


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