2017年6月3日土曜日

第14回 無限大、無限小とランダウ記号

第14回 無限大、無限小とランダウ記号


§1 関数の無限大、無限小
aを実数または±∞とする。ならば、x→aのときf(x)無限小であるという。ならばx→aのときf(x)無限大であるという。

関数f(x)g(x)が点aで無限小のとき、
という。

例1
f(x)=x²,g(x)=xとすると、x→0のとき
だから、f(x)g(x)より高位の無限小。
f(x)=sinxg(x)=xとすると、
だから、f(x)g(x)と同位の無限小。
f(x)=xg(x)=x²とすると、
だから、f(x)g(x)より低位の無限小。

関数f(x)g(x)が点aで無限大のとき、
という。

例2
f(x)=logxg(x)=xとすると、
だから、logxxよりも低位の無限大。
g(x)=xとすると、
だから、xよりも高位の無限大。

問 次のことを示せ。
[解答(?)]
ロピタルの定理より
[解答(?)終了]


§2 ランダウの記号

x→aのとき、f(x)/g(x)が無限小、つまり、
のとき、
で表す。この記号o(g(x))ランダウ記号oランダウのスモール・オー)という。特に、のとき
と定める。

例3 f(x)=sinxは、x→0ならばf(x)→0だから
また、f(x)=x²g(x)=xとすると、x→0のとき、
だから、
しかし、f(x)=xg(x)=x²のとき、
だから、ではない。
つまり、
は、一般に成立しない。


x→aのときに、f(x)/g(x)が有界にとどまるならば、これを
で表す。(Oランダウのビッグ・オーという)
特に、
のとき、
である。

例4
x→0のとき、
だから、
また、x0に限りなく近いとき(ただし、x≠0
だから、有界。
よって、
である。

ラウンダウ記号にはスモール・オーoとビッグ・オーOの2種類があるのだが、以降、スモール・オーo、つまり、o(g(x))をランダウ記号と呼ぶことにする。


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