2018年3月24日土曜日

第1回 集合

第1回 集合


§1 集合の要素と相等

aが集合Aに属しているとき、aは集合A要素)といい、このことを記号
で表し、aが集合Aの要素でないとき、このことを
で表す。
要素を有限個しか含まない集合を有限集合、そうでない場合を無限集合という。

Aの全ての要素がBの要素であり、Bの全ての要素がAであるとき、すなわち、 x∈Aならばx∈B、かつ、x∈Bならばx∈Aであるとき、集合AB等しいといい、このことを
ABまたはB=A
で表す。
また、A=Bでないとき、AB相異なるといい、
A≠B
で表す。

§2 集合の表し方

集合の表し方には、集合の要素を列挙する外延的記法と、集合に属する条件を用いて集合を表す内包的記法の2通りがある。

外延的記法の例

内包的記法の例

問1 以下の内包的記法を外延的記法で表わせ。ただし、Nは自然数全体の集合、Qは有理数全体の集合とする。
【解】
(1) 10未満の自然数の集合は{1,2,3,4,5,6,7,8,9}だから、その逆数1/nの集合は

(2) 0<x<100の有理数なので、
また、√xは自然数なので、①を満たす自然数は
自然数は有理数なので、これが求める集合である。
(解答終)

問2 自然数全体の集合をNとし、Nの各要素xの正の約数をf(x)で表す。このとき、次の問に答えよ。
(1) f(2)f(4)f(18)を求めよ。
(2) はどのような集合か。
【解】
(1) 2の正の約数は1、2だから、f(2)=2
4の正の約数は1、2、4だから、f(4)=3
18の約数は、1、2、3、6、9、18だから、f(18)=6
よって、
 f(2)=2f(4)=3f(18)=6

(2) xを1ではない自然数とすると、1xは、xの約数。f(x)=2なので、xは1と自分自身x以外の約数をもたない。つまり、xは素数。
したがって、素数全体の集合である。
(解答終)

§3 部分集合

集合Aの要素xがすべてBの要素であるとき、すなわち、
であるとき、AB部分集合であるといい、記号
または
で表す。
特に、A⊂BかつA≠Bであるとき、AB真部分集合という。

本によっては、ABの部分集合であることを
ABの真部分集合であることを
で表すことがある。

A=1, 2 , 3}はB={1, 2, 3, 4, 5}の部分集合であり、Bの真部分集合である。
集合Aの要素はすべて集合Aの要素なので、AAの部分集合である。すなわち、
自然数全体の集合Nは整数全体の集合Zの部分集合であり、真部分集合である。

定理1 A⊂BかつB⊂Aならば、A=Bである。
【証明】
A⊂BだからAの全ての要素はBの要素であり、B⊂AだからBのすべての要素はAの要素である。したがって、ABはその全ての要素を共有し、A=Bである。
(証明)


定理2 A⊂BB⊂CならばA⊂Cである。
【証明】
A⊂Bだからx∈Aならばx∈B、また、B⊂Cだから、x∈Bならばx∈Cである。したがって、x∈Aならばx∈C
よって、
A⊂BB⊂CならばA⊂C
(証明)

問3 定理1を用いてA=Aであることを示せ。
【解】
A⊂AかつA⊃Aなので、定理1より、A=Aである。
(解答終)


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