第9回 2階線形微分方程式(定数係数)の解法
§1 線形常微分方程式(定数係数)の解法
2階同次線形微分方程式(定数係数)の一般形は
である。
だから、
でなければならない。この2次方程式を(1)の特性方程式といい、この2次方程式の解を特性解、特性根という。
(1)の特性方程式(2)の解をα、βとすると、2次方程式の解と係数の関係より、
である。
したがって、(1)は
である。
したがって、
となり、y'–βy
の一般解は、
となる。
α≠βの場合
(3)式の両辺に
を掛けると、
α=β(重根)の場合
α=βだから(3)式は
両辺に
を掛けると、
C=C₂とすると、一般解は
となる。
特性根が虚根p±qiのとき、
問題1 次の微分方程式を解け。
【解】
(1) 特性方程式は、
よって、一般解は
(2) 特性方程式は
したがって、一般解は
(3) 特性方程式は
よって、
(解答終)
n階線形微分方程式の一般形は、定数係数の場合、
が
を解にもつとすれば、
そこで、
とおけば、
となり、
を満たすとき、
は(3)の解の1つとなる。
(4)を(3)の特性方程式といい、その解を特性解、特性根という。
問題2 次の微分方程式を解け。
【解】
(1) 特性方程式は
よって、一般解は
(2) 特性方程式は
よって、一般解は
(解答終)
§2 2階線形非同次常微分方程式(定数係数)
2階線形非同次微分方程式の一般形は
である。
(5)の一般解は、同次線形方程式(1)の一般解と(5)の特殊解の和で表されるので、まず、同次方程式(1)の一般形を求め、何らかの方法で非同時方程式(5)の特殊解を求めたのち、それを先に求めた同次方程式の一般解に加えればよい。
問題3 次の微分方程式を解け。
【解】
(1) 同次方程式y''–2
y –y=0の特性方程式
だから、この一般解は
非同次方程式
の特殊解がy=ax²+by+cであるとすると、
だから、これを①に代入すると、
ゆえに、a=−1、b=1、c=−1。
したがって、y=–x²+x–1は①の特殊解。
だから、①の一般解は
(2) 同次形方程式y''–y=0の一般解は
非同次方程式
の特殊解がy=Acos+Bsinxであるとすると、
だから、①に代入すると、
よって、
は①の特殊解である。
したがって、①の一般解は
(解答終)
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