2017年5月18日木曜日

第4回 関数の連続2

第4回 関数の連続2


関数の連続のε-δ論法による定義をあらためて示す。

関数の連続の定義
任意の正数ε>0に対して、あるδ>0があって
であるとき、f(x)は点aで連続であるという。

関数の連続の定義と関数の極限に関する定理(定理1)から次の定理が成り立つことは明らかであろう。

定理6
関数f(x)g(x)が点aで連続であれば、λμを実数とすると、
は点aで連続である。
g(a)≠0ならばは点aで連続である。

定理7
関数f(x)が点aで連続である必要十分条件は、f(x)が点aで右連続かつ左連続であることである。
[証明]
十分性)
f(x)は点aで連続だから、任意の正数ε>0に対して、あるδ>0があって
よって、
であり、f(x)は点aで右連続である。
また、
だから、f(x)は点aで左連続である。
必要性)
εを任意の正数とすると、f(x)は点aで右連続だからあるδ₁>0があって
で、f(x)は点aで左連続だからあるδ₂>0があって
よって、δ
にとれば
である。
(証明終了)

定理8
関数f(x)が点aで連続かつf(a)≠0ならば、点aの十分近くの点xではf(x)f(a)と同符号である。
[証明]
f(a)>0の場合を証明すれば十分だから、f(a)>0の場合を証明する。
f(x)は点aで連続だから、任意の正数ε>0に対して、あるδ>0があって
である。
εは任意の正数だから
とおくと、これに対応するδ>0をとれば
(証明終了)

問 f(a)<0の場合の定理6の証明し、証明を完成せよ。

ちなみに、f(a)>0の場合の証明を利用するならば、たとえば、次のように証明すればいいだろう。

f(a)<0のとき、g(x)=–f(x) とおけば、f(x)が点aで連速だから定理4からg(x)も点aで連続でかつg(a)>0になる。
よって、上記の定理8の証明より、点aの十分近くの点でg(x)>–f(x) >0となり、f(x)<0f(a)<0と同符号になる!!

であるが、ε-δ論法に慣れるために、f(a)>0の場合の上の証明を真似して、自力で証明して欲しい。
ヒントは、
を使う。
f(a)<0だから、例えば、
とすればよい!!


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