2017年1月10日火曜日

第12回 標本調査

第12回 標本調査


標本調査(一部調査)

統計調査によって、調査の対象となる全体の集合を母集団といい、選び出す、抽出する資料を標本、標本の個数を標本の大きさという。

標本平均の分布

平均m、標準偏差σの度数分布をしている母集団からn個の標本
を抽出する。
これらの標本の平均値
標本平均といい、標本の標準偏差s
標本標準偏差という。

復元抽出の場合の標本平均、標本標準偏差を考える。
母集団から大きさnの標本を抽出し、抽出されたn個の確率変数を
とすると、標本平均は
したがって、標本平均の平均は
は互いに独立な確率変数で、Xと同じ確率分布にしたがうから
同様にして、標本平均の分散は、
以上のことから、次のことが言える。

定理 標本分布とその平均、標準偏差
平均値m、標準偏差σの母集団から、復元抽出により無作為に大きさnの標本を取り出すとき、
標本平均の平均と標準偏差は、それぞれ
である。
また、nが十分大きいならば、標本平均の分布は世紀平均に近い。

非復元抽出の場合、母集団の大きさをNとすると
であるが、Nが十分に大きければ、
だから、非復元抽出であっても、
と考えてよい。


問1 平均値20、標準偏差5の母集団から、大きさ9の標本を無作為に復元抽出するとき、その標本平均と標準偏差を求めよ。
【解】
母集団の平均m=20、標準偏差σ=5、標本の大きさn=9だから、
(解答終了)


問2 確率変数Xが右の表に従う母集団があるとする。
この母集団から大きさ4の標本を復元抽出するとき、その標本平均の平均と標準偏差を求めよ。

X
1
3
6
P
0.5
0.3
0.2
1

【解】
母集団の平均m、標準偏差σ
標本の大きさn=4だから
(解答終了)


問3 ある工場で製造された同じ種類の品物2000個の平均値で150gで、標準偏差が4gである。これから25個の標本を何回もとって重さを調べるとき、25個の標本平均の平均と標準偏差を求めよ。
【解】
非復元抽出だが、母集団が大きいので、復元抽出とみなすことができる。
m=150gσ=4gn=25だから
(解答終了)

非復元抽出として計算すると、


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