第11回 集合族の共通部分
添字のついた集合の集まり、集合族の和集合の話を前回した。これに引き続いて、集合族の共通部分の話をすることにする。
i∈Iで定義された集合の集まり、集合族をと書いて、そのひとつの要素(集合)をと書く。
そして、この全ての要素に属する共通な集合をの共通部分と呼び、
と表す。
数学の記号でこの定義を書くと
数学の記号でこの定義を書くと
となる。
そして、I=N(自然数)のとき、
そして、I=N(自然数)のとき、
である。
具体的な例を上げたほうがわかりやすいと思うので例を上げることにする。
I={1,2,3}として
という集合族を考える。そうするとcは全ての集合に共通する集合の要素になっている。
だから、
具体的な例を上げたほうがわかりやすいと思うので例を上げることにする。
I={1,2,3}として
という集合族を考える。そうするとcは全ての集合に共通する集合の要素になっている。
だから、
となる。
それほど難しいことを言っているわけではない。
では、問題を一つ。
問題1
のとき
それほど難しいことを言っているわけではない。
では、問題を一つ。
問題1
のとき
を求めよ。
【解】
(解答終わり)
こういうのは、何故こうなるのかの説明に困る。
任意のn∈Nに対して
こういうのは、何故こうなるのかの説明に困る。
任意のn∈Nに対して
になるのは、なんとなくわかるだろう。
実際に、n=1,2,3,・・・,nとしてを求めてみると、
となるので、こうなるのはわかると思う。
だから、
に0より小さな要素と1より大きな要素があるかどうかが問題になる。
だから、
に0より小さな要素と1より大きな要素があるかどうかが問題になる。
仮にa<0で
となる要素aが存在すると、条件から、すべての自然数に対して
となる要素aが存在すると、条件から、すべての自然数に対して
が成立しなければならない。
これはアルキメデスの公理
これはアルキメデスの公理
「任意の自然数nに対して
ならば、α=0である」に反している。
また、
すこし危ない議論だけれど、
また、
すこし危ない議論だけれど、
これを⑨に当てはめると、ハサミ打ちの定理からa=0にならなければおかしい。
これはa<0という仮定に矛盾しているから、そんなaは存在しないとなるんだケロ。
1より大きな要素も同様にやればよい。
ここでいいたいのは、
は開集合だけれど、開集合の集まり・集合族の共通部分は必ずしも開集合にならないということ。
これは、前回やった「閉集合の集合族の和(集合)は必ずしも開集合になるとは限らない」と、実は、同じことを意味している。
1より大きな要素も同様にやればよい。
ここでいいたいのは、
は開集合だけれど、開集合の集まり・集合族の共通部分は必ずしも開集合にならないということ。
これは、前回やった「閉集合の集合族の和(集合)は必ずしも開集合になるとは限らない」と、実は、同じことを意味している。
なぜならば、開集合は閉集合の補集合だからだ。
ちなみに、a<bのとき
ちなみに、a<bのとき
とすると、
となる。
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