第12回 実数の位相的性質
fを実数Rで連続な関数とする。y>f(x)を満たす点(x,y)の集まりAは開集合である。
fは連続なので、
となるδが存在する。
とすると、
ここで、
(証明終わり)
(※) このように開球の半径ε’をとれば、図に示すように、Aの中に収まる。
図の場合、ε<δであるが、ε≧δの場合もあるので、このように開球の半径ε'を取らないといけない。
同様に、fが連続であれば、y<f(x)の満たす点(x,y)の集まりも開集合になる。
開集合と開集合の和集合は開集合なので、y≠f(x)を満たす点(x,y)の集まりも開集合。
そして、y=f(x)を満たす点の集まりはこの補集合なので、閉集合になる。
開集合と開集合の和集合が開集合になることの証明は、
とする。すると、となるλ∈{1,2}が存在し、
ε>0が存在することになり、開集合となる。
もっと一般化し、という集合族の和集合の時は
として、これは和集合の定義よりとなるλ∈Λが存在し、
となるε>0が存在するので、開集合となる。
何が書かれているかわからないと思うけれども、開集合と集合族の和集合の定義から、こうなるんだ。
また、開集合と開集合の共通部分が開集合になることは、
とすると、とは開集合なので
となる正の数が存在する。
で、例のお決まりの
で、例のお決まりの
とすると、
になるので、
より、aはの内点となり、は開集合である。
では、これを一般化してが開集合のときは開集合になるかというと、これはならない。
では、これを一般化してが開集合のときは開集合になるかというと、これはならない。
たとえば、
として、
を求めると、これは前にやったと思うけれど、
という一点集合になって、閉集合になってしまう。
だから、これは一般に成立しない。
だけれども、Λ={1,2,3,・・・,n}で、Λが有限集合の場合、
は開集合になる。
全体の集合(普遍集合)を実数Rとする。
x∈Rとすると、これは開球(x–1,x+1)⊂Rとなるから、 実数Rは開集合になる。
で、さらに空集合∅を開集合と定義すると、次の定理が成り立つ。
定理
定理
(1) 空集合、実数Rは開集合である。
(2) 任意の有限個の開集合の共通部分は開集合である。
(2) 任意の有限個の開集合の共通部分は開集合である。
(3) 開集合の族の和集合は開集合である。
これは実数のみならず、たとえば、n次元のユークリッド空間でも成り立つ性質だ。
これは実数のみならず、たとえば、n次元のユークリッド空間でも成り立つ性質だ。
そして、これをさらに一般化して、開集合系というもの、まぁ公理だね、を展開することもできるのであった。
大切なのは上の定理だから、上の定理だけ覚えていただければ十分。
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