最大最小の問題
定理 連続な関数の最大、最小値の定理
閉区間[a,b]で連続な関数f(x)は、必ず、最大値と最小値をもつ。
関数f(x)が最大・最小になる点の候補は、極値をとる点、区間の両端、そして、微分可能でない点など。特に、区間の両端に注意!!
問題1
(1) 1≦x≦3のとき、関数
の最大値、最小値を求めよ。
(2) 0<x<πのとき、関数
の最小値を求めよ。
【解】
(1)
増減表をかくと
x |
1 |
… |
√2 |
… |
3 |
f'(x) |
|
+ |
0 |
− |
|
f(x) |
1 |
増加 |
極大 |
減少 |
9/10 |
x=√2のときに最大値f(√2)=6(3−2√2)
x=3のときに最小値9/10
(2)
増減表を書くと
x |
0 |
… |
π/3 |
… |
π |
y' |
|
− |
0 |
+ |
|
y |
|
減少 |
極小 √3 |
増加 |
|
x=π/3のとき、最小値√3
(解答終了)
問題2 x>0のとき
の最小値を求めたい。
(1) とおき、Pをtの関数として表しなさい。
(2) その結果を用いてPの最小値ならびにそのときのxの値を求めなさい。
【解】
の分母・分子をx²で割ると
で、
よって、
x>0のとき、相加平均≧相乗平均より
したがって、
(2)
これをtで微分すると、
したがって、Pは単調増加。
よって、t=2のとき最小で、最小値3/2。
の解は1だから、
x=1のとき、Pは最小で、最小値は3/2である。
(解答終了)
ちなみに、
のグラフは右図の通り。
問題3 関数
について、次の問に答えよ。
(1) sinx=tとおいて、yをtの式で表せ。
(2) yを最大にするxの値はいくらか。
【解】
(1)
だから、
(2)
増減表を書くと、
x |
−1 |
… |
1/2 |
… |
1 |
y' |
|
+ |
0 |
− |
|
y |
-7 |
増加 |
極大 13/2 |
減少 |
1 |
よって、x=1/2のときに、yは最大になる。
を解くと
(解答終了)
問題2、問題3のように、変数を変換することによって、最大・最小値を求めることが楽になる場合がある。ただし、問題2、
問題4 第1象限の定点P(a,b)を通る直線と両軸の正の部分との交点をA、Bとするとき、△OABの面積の最小値を求めよ。ただし、Oは原点とする。
【解】
定点P(a,b)をとおる直線の傾きをm(m<0)とすると、この直線の方程式は
したがって、Aのx座標は
Bのy座標は
よって、△OABの面積Sは
ここで、
とおき、mで微分すると、
したがって、f(m)は
のとき、極大。
したがって、Sはこの時に極小、最小になる(f(m)とSは正負が逆転しているから)。
このとき、x=2a、y=2bとなり、最小値は
また、このとき、PはA(2a,0)、B(0,2b)の中点である。
(解答終了)
こう解いたものの、この解答は直観的に良くないね。
相似を使って、解くことにする。
【別解】
A、Bの座標をそれぞれ(x,0)、(0,y)とし、P(a,b)からx軸におろした垂線の足をHとする。
△AHP∽△AOBだから
したがって、△OABの面積Sは
これをxで微分すると、
したがって、x=2aのとき、極大かつ最大になる。
よって、面積の最大値は
このとき、y=2bだから、点P(a,b)はA(2a,0)、B(0,2b)の中点である。
【解答終了】
解答のわかりやすさで雲泥の差があるようだ。
悪い解答例として、問題3の【解】は、そのまま残しておくことにする。
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