第8回 1次変換と図形2
問題1 1次変換
は、平面上では相似変換であることを示せ。またこのこと利用して、放物線y=ax²(a¬0)はy=x²と相似であることを示せ。
【解】
P(x,y)の像をP(x',y')とすると、
したがって、この変換はOを中心としたa倍に拡大縮小する変換であり、相似変換である。
また、P(x,y)をy=ax²上の点とすると、
だから、
したがって、P(x',y')はy=x²上に存在する。
よって、放物線y=ax²はy=xと相似である。
(解答終)
問題2 平面上に点P(1,2)とQ(3,4)がある。1次変換fによってPがQに、QがPに写される。
このとき、次の問に答えよ。
(1) 1次変換fを表す行列を求めよ。
(2) fにより原点からの距離が変わらない点の軌跡を求めよ。
(3) fにより直線PQ上の点は直線PQ上に写されることを示せ。
【解】
(1) 1次変換fを表す行列をAとする。
fにより(1,2)は(3,4)に、(3,4)は(1,2)に写されるので、
(2) P(x,y)、fによるPの像をP'(x',y')とすると、
OP=OP'だからOP²=OP’²。
したがって、
よって、
(3) P(1,2)、Q(3,4)を通る直線の方程式は
この直線上の点(t,t+1)(tは実数)のfによる像は
よって、fによりP、Qを通る直線y=x+1上の点は直線y=x+1上に写される。
(解答終了)
1次変換fを表す行列だから、|A|=(−5)・5−4・(−6)=−1¬0となり、Aは正則行列。したがって、直線l₁は直線l₂に写される。
l₁は点P、Qを通る直線であり、l₂は、P、Qの像であるQとPを通る直線なのだから、l₁とl₂は一致する。
Q(3,4)とP(1,2)を通る直線l₂の方程式は
で、l₁:y=x+1と一致する。
なお、この1次変換により自分自身に写される直線の方程式は、
k=0とおけば(2)で求めた直線になり、k=1とすれば(3)の直線PQになる。
これは偶然、それとも、何か関係がある(^^)
問題3 方程式x²−y²=a²(a>0)で表される曲線を、原点のまわりに45°回転して得られる曲線の方程式を求めよ。
【解】
曲線x²−y²=a²上の点P(x,y)を原点まわりに45°回転した点をP'(x',y')とすれば、
したがって、P’を原点まわりに−45°回転させればPになる。
これをx²−y²=a²に代入すると、
したがって、求める曲線の方程式は
(解答終)
このことから、x²−y²=a²は双曲線xy=a²/2を原点まわりに−45°回転させた双曲線であることが分かる。
問題4 行列が表す1次変換
によって円x²+y²=1がx²+y²=r²に写されるとする。このとき、
であることを示せ。
【解】
円x²+y²=r²上の点(x’,y’)とすると、
これが、x²+y²=1²と一致するためには、
でなければならない。
また、
のとき、
したがって、①とx²+r²=1は一致する。
(解答終)
が成り立つとき、が表す1次変換は相似変換である。
特に、r=1のとき、が表す1次変換は合同変換になる。
問題1のや原点まわりの回転はこの特殊なケースなのであった。
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