2018年3月16日金曜日

第8回 1次変換と図形2

第8回 1次変換と図形2


問題1 1次変換
は、平面上では相似変換であることを示せ。またこのこと利用して、放物線y=ax²a¬0)y=x²と相似であることを示せ。
【解】
P(x,y)の像をP(x',y')とすると、
したがって、この変換はOを中心としたa倍に拡大縮小する変換であり、相似変換である。
また、P(x,y)y=ax²上の点とすると、
だから、
したがって、P(x',y')y=x²上に存在する。
よって、放物線y=ax²y=xと相似である。
(解答終)

問題2 平面上に点P(1,2)Q(3,4)がある。1次変換fによってPQに、QPに写される。
このとき、次の問に答えよ。
(1) 1次変換fを表す行列を求めよ。
(2) fにより原点からの距離が変わらない点の軌跡を求めよ。
(3) fにより直線PQ上の点は直線PQ上に写されることを示せ。
【解】
(1) 1次変換fを表す行列をAとする。
fにより(1,2)(3,4)に、(3,4)(1,2)に写されるので、

(2) P(x,y)fによるPの像をP'(x',y')とすると、
OP=OP'だからOP²=OP’²
したがって、
よって、

(3) P(1,2)Q(3,4)を通る直線の方程式は
この直線上の点(t,t+1)tは実数)のfによる像は
よって、fによりPQを通る直線y=x+1上の点は直線y=x+1上に写される。
(解答終了)


1次変換fを表す行列だから、|A=(−5)5−4(−6)=−1¬0となり、Aは正則行列。したがって、直線l₁は直線l₂に写される。
l₁は点PQを通る直線であり、l₂は、PQの像であるQPを通る直線なのだから、l₁l₂は一致する。
Q(3,4)P(1,2)を通る直線l₂の方程式は
で、l₁:y=x+1と一致する。

なお、この1次変換により自分自身に写される直線の方程式は、
k=0とおけば(2)で求めた直線になり、k=1とすれば(3)の直線PQになる。
これは偶然、それとも、何か関係がある(^^)


問題3 方程式x²−y²=a²a>0)で表される曲線を、原点のまわりに45°回転して得られる曲線の方程式を求めよ。
【解】
曲線x²−y²=a²上の点P(x,y)を原点まわりに45°回転した点をP'(x',y')とすれば、
したがって、P’を原点まわりに−45°回転させればPになる。

これをx²−y²=a²に代入すると、
したがって、求める曲線の方程式は
 
(解答終)

このことから、x²−y²=a²は双曲線xy=a²/2を原点まわりに−45°回転させた双曲線であることが分かる。


問題4 行列が表す1次変換
によって円x²+y²=1x²+y²=r²に写されるとする。このとき、
であることを示せ。
【解】
x²+y²=r²上の点(x’,y’)とすると、
これが、x²+y²=1²と一致するためには、
でなければならない。
また、
のとき、
したがって、①とx²+r²=1は一致する。
(解答終)

が成り立つとき、が表す1次変換は相似変換である。
特に、r=1のとき、が表す1次変換は合同変換になる。
問題1のや原点まわりの回転はこの特殊なケースなのであった。


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