第13回 2次曲線の標準化
§1 O-xy座標系を回転させたO-x'y'座標系
O-xy座標系を原点を中心に反時計回りにθ回転させたO-x'y'座標系があるとする。
O-xy座標系の基本ベクトルはを原点Oを中心にθ回転させるとその像は
である。
そして、このがO-x'y'座標系の基本ベクトルである。
この平面上の点PのO-xy座標系における座標を(x,y)、O-x'y'座標系における座標を(x',y')とすると、
(1)式より
となる。
したがって、
また、(3)から
という関係を得られる。
(3)は、O-x'y'座標系からO-xy座標系への座標変換の式であり、(4)はO-xy座標系からO-x'y'座標系への座標変換の式である。
ところで、(x,y)を原点周りにθ回転させたときの1次変換の式は
(3)と(5)、あるいは(4)と(5)は、非常に似ているので、それだけに要注意である。
§2 2次曲線の標準化
2次曲線
を、座標変換によって
の形に変形することを2次曲線の標準化という。
さてさて、(6)式は行列を用いると、次のように書き換えることができる。
O-xy座標系を原点を中心にθ回転させた座標系をO-XY座標系とする。
とおくと、
よって、(8)式は
となる。
そして、行列の対角化によって
とできるならば(補足)、
と、2次曲線の標準化を行うことができる。
つまり、これは、行列のAの相異なる固有値α、β、そして、それに対応する固有ベクトルを求めれる、Aの固有値問題になる。
問 2次曲線x²+xy+y²=1を標準化せよ。
【解】
とおくと、Aの固有方程式は
したがって、固有ベクトルは
である。
k=1/2のとき、
よって、このときの固有ベクトルは
固有ベクトルを規格化し、
を基底とする座標系O=x'y'を設定すると、O-xy座標系の座標との間には、
という関係がある。
――O-x'y'座標系は、O-xy座標系を原点Oを中心に反時計方向にθ=45°させたものになっている――
これをx²+xy+y²=1に代入すると、
よって、x²+xy+y²=1
である。
(解答終)
α=3/2、β=1/2とした時の形にちゃんとなっているだろう。
(補足)
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