第4回 分配法則とド・モルガンの法則
定理8 A、B、Cを任意の集合とするとき、次の関係が成立する。
【証明】
(1) まず、
を証明する。
x∈A∩(B∪C)であるとする。すると、定義より、x∈Aでかつ(x∈B またはx∈C)になる。
を証明する。
x∈A∩(B∪C)であるとする。すると、定義より、x∈Aでかつ(x∈B またはx∈C)になる。
で、x∈Aかつx∈B、つまり、x∈A∩Bのとき、
同様に、x∈Aかつx∈C、つまり、x∈A∩Cのとき、
になる。
よって、x∈Bであろうがx∈Cであろうが、
次に、
を証明する。
同様に
よって、
①と②より
(2)
(証明終)
(2)の証明では、次の吸収法則を使っている。
吸収法則が成り立つことは、前回の定理4の(3)と定理6の(3)より明らか。
なぜならば、
A⊂A∪Bだから、定理6の(3)より、A∩(A∪B)=A
A∩C⊂Aだから、定理4の(3)より、A∪(A∩C)=A
であるからである。
定理9(ド・モルガンの法則)
A、B、Cを任意の集合とするとき、次の関係が成り立つ。
【証明】
(証明終)
A、Bが普遍集合Uの部分集合である場合には、次の形のド・モルガンの法則が成り立つ。
定理10 (ド・モルガンの法則)
問1 次のことを示せ。ただし、Uは普遍集合とする。
【解】
(1) ド・モルガンの法則より
したがって、
(2) ド・モルガンの法則より
したがって、
(解答終)
問2 AとBが普遍集合Uの部分集合であるとき、Aに関するBの補集合A−Bは
になる。
このことと定理10を用いて、定理9が成り立つことを示せ。
【解】
(解答終)
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