2016年12月26日月曜日

第3回 確率変数と確率分布

第3回 確率変数と確率分布


§1 確率変数と確率分布

1〜6の目をもつサイコロを振り、出た目をXとすると、Xの目が出る確率は、次のようになる。


たとえば、X=1と、Xの値が決まれば、その確率
と定められる。

より一般的に書くと、次のようになる。
Xの値 ・・・
確率 ・・・


の値をとる変数Xに対して、の確率が与えられているとき、Xを確率変数という。また、確率変数Xとそれに対応する確率との対応関係を確率分布という。

確率変数のとる値がであるとし、それに対応する確率をとするとき、
である。


問1 1枚の硬貨を2回投げるとき、表の出る回数を確率変数Xとして、Xの確率分布を求めよ。
【解】
(1回目の結果、2回目の結果)と書くことにすると、全事象は、(裏,裏)、(裏,表)、(表,裏)、(表,表)の4通り。
表が0回出るのは、(裏,裏)の1通り。
したがって、表が0回出る確率は
表が1回出るのは、(裏,表)、(表,裏)の2通り。
したがって、表が1回出る確率は
表が2回出るのは(表,表)の1通り。
したがって、表が2回出る確率は
よって、確率分布は次の通り。

X 0 1 2
確率P 1/4 1/2 1/4

(解答終了)


問2 10本のくじがあって、そのうち、2本が当たりくじとする。3本引いてあたった回数をXとするとき、X本当たる確率を求めよ。
【解】
したがって、
X 0 1 2 3
7/15 7/15 1/15 0 1
(解答終了)


§2 期待値(平均値)と分散、標準偏差

確率変数Xの値をとり、それに対応する確率がであるとき、
E(x)mなどであらわし、確率変数の平均値、期待値という。
また、
V(x)σ²で表し、確率変数の分散という。
また、分散の正の平方根
を標準偏差という。

問3 白球4個と赤球3個が入っている袋から2個の珠を同時に取り出すとき、その中に含まれる白球の個数の確率分布を求めよ。また、期待値を求めよ。
【解】
取りざされる白球の個数をk=0,1,2)に対応する確率をとする。

白球の個数 0 1 2
確率 1/7 4/7 2/7 1

したがって、平均値m
(解答終了)

ちなみに、分散Vと標準偏差σ


問題 1と書いたカードが1枚、2と書いたカードが2枚、・・・・・・、nと書いたカードがn枚ある。この中から1枚取り出すとき、カードの示す数Xを確率変数とする。
(1) X=kである確率を求めよ。
(2) Xの平均値を求めよ。
【解】
(1) カードの数は全部で
したがって、

(2) Xの平均値m
(解答終了)

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