2016年12月4日日曜日

第4回 無限級数

第4回 無限級数


§1 無限級数の収束、発散

無限級数が与えられているとき、
とおくと、数列が得られる。
この数列が収束するとき級数収束するといい、収束しないとき発散するという。
そして、が収束するとき、すなわち、であるとき、この極限値Sを無限級数のという。

例1
上の無限級数の第n部分和
r<1のとき
だから、このとき数列
であり、がこの無限級数の和である。
r|≧1のとき、は収束せず、したがって、発散する。

以上のことから、
無限等比級数
は|r<1のときに限ってに収束し、その和は
つまり、

例2 無限級数
は、発散する。
したがって、
で、
よって、は収束しない。
だから、①の無限級数は発散する。


§2 無限級数の基本的性質

定理1
とするとき、
である。

定理2 無限級数が収束するためには、でなければならない。
【略証】
とおくと、
さらに、
とすると、
(証明終了)

例2であげた無限級数
は、
であるが、この無限級数は収束しない。
したがって、定理2の条件は無限級数が収束するための十分な条件ではなく、必要な条件であることに注意。

問題1 次の無限級数に和があればそれを求めよ。
【解】
(1) これは初項a=1、公比r=1/2の無限等比級数。
r=1/2 < 1だから式(1)より
(2) 公比r=−√2、|r=√2>1だから収束しない。
(3) 公比r=−1だから収束しない。
(4) 
したがって、
つまり、|x>1のとき、この級数は収束し、和は
x|≧1では収束しない。
(解答終了)


問題2 次の無限級数は収束するか。
【解】
(1) 第n部分和
また、
よって、

(2)
したがって、
よって、振動し、収束しない。
(解答終了)


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