第16回 平均値と比率の検定
平均値の検定
母平均がmであるという仮説を立てた場合、母集団から抽出した大きさnの平均値がならば
(ⅰ)優位水準5%のとき|z|≧1.96ならば仮説を棄却する
(ⅱ)優位水準1%のとき|z|≧2.58ならば仮説を棄却する
比率の検定
母比率がpであるという仮説を立てた場合、母集団から任意に抽出した大きさnの比率がならば
を求めて、平均値と同様に検定する。
なお、母集団の標準偏差σが未知のとき、標本の標準偏差sをσの代わりに用いる。
問題1 ある工場で生産されている1kg入の砂糖を64袋任意に抽出して調べた結果、平均値987.2g、標準偏差40.8gであった。この製品の重量表示は正しいといえるか。優位水準5%で検定せよ。
【解】
「表示は正しい」と仮定すると、だから
よって、仮説は棄却される。
したがって、表示は正しくないと判断する。
(解答終了)
問題2 ある工場での過去の資料によれば、7mmのボルトの企画の標準偏差は0.3mmである。ある日の製品から無作為に抜き取った100個の平均が7.06mmであった。この日の製品は平常と比べて普通のできといえるか。優位水準5%で検定せよ。
【解】
「普通のでき」という仮説を立てると、だから、
よって、仮説は棄却される。
したがって、普通のできでなかった。
(解答終了)
問題3 A、B品種の鶏は同じ条件で、孵化してから5ヶ月で3kgに成長する。この2つの品種から得られた雑種第1代から任意抽出した100羽について、前と同じ飼育条件で調べて、負荷5ヶ月の生育状態は
であった。生育のよい品種が得られたと判断してよいか。優位水準5%で推定せよ。
【解】
「もとの品種と同じ生育条件である」という仮説をたてると、
だから、優位水準5%で仮説は捨てられない。
すなわち、生育のよい品種が得られたと断定できない。
(解答終了)
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