第10回 正規分布2
標準正規分布
平均m、分散σ²の正規分布をであらわす。
確率密度関数f(x)は
だから、
とおけば、
だから、確率変数zは
に従う。
これは、(1)のm=0、σ²=1とした形になっているから、平均0、分散1の正規分布である。これを標準正規分布という。
(2)で定義される変換を標準化変換という。
また、
である。
問1 確率変数Xが正規分布N(30,4²)に従うとき、
次の確率を求めよ。
【解】
とおくと、zはN(0,1)にしたがう。
(1) x=30のときz=0、x=34のときz=1。
よって、
(2) x=24のときz=−1.5、x=36のときz=1.5。
よって、
(3) x=34のときz=1、x=38のときz=2。
よって、
(4) x=24のとき、z=-1.5。
よって、
(註) 標準正規分布曲線はy軸に関して対称だからP(Z≦−1.5)=P(Z≧1.5)。したがって、
P(0≦Z≦1.5)はハッチングを施した部分。
(解答終了)
問2 ある高等学校3年生男子300人の身長を測定したら、平均値165cm、標準偏差5cmで、正規分布に近い分布をしていた。
(1) 身長が160cm、170cm未満である生徒はおよそ何人か。
(2) 身長が173cm以上の生徒はおよそ何人か。
【解】
身長をXcmとすると、確率変数
は正規分布N(0,1)にしたがう。
(1)
正規分布表より
よって、求めるべき人数は
300×0.6826=204.78≒205(人)
(2)
だから、
ゆえに、求める人数は
300×0.0548=16.44≒16(人)
(解答終了)
問3 500人の生徒にテスト(100点満点)を行ったところ、その成績は、平均65点、標準偏差10点で、正規分布に近い分布をしていた。
(1) 成績が55点以上、75点以下の生徒はおよそ何人か。
(2) 成績が50点以下の生徒はおよそ何人か。
(3) 上から100番以内に入るためには、およそ何点以上とればいいか。
【解】
テストの得点をXとすると、
は正規分布N(0,1)にしたがう。
(1)
したがって、
500×0.6826=341.3≒341(人)
(2)
したがって、
500×0.1668=83.4≒83(人)
(3) 100番は、全体の上から100÷500=0.2にあたる。
N(z)=0.5−0.2=0.3になるz≒0.84。
z=0.84に該当する得点をxとすると
したがって、74点とればよい。
(解答終了)
ちなみに、55点、75点の偏差値は40、60。
50点の偏差値は35、74の偏差値は59です。
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