第7回 ベータ関数入門1
p>0、q>0のとき、
が絶対収束することを証明する。
【証明】
p≧1、q≧1のとき、通常の積分である。
そこで、
と分けて考える。
0<p<1のとき、
だから、
は広義積分である。
また、0<q<1のとき
だから、
は広義積分である。
0<p<1のとき、0≦x≦1/2とすると、1/2≦1−x≦1である。
q>1のとき、
0<q<1のとき
である。
以上のことより、q>1、0<q<1のいずれであろうと、
であり、
0<p<1のとき、t>0とすると、
だから、広義積分
は絶対収束する。
次に
を考える。
0<q<1とする。
1/2≦x≦1とする。
p>1のとき、
0<p<1のとき
いずれにせよ
したがって
0<t<1とすると
したがって、広義積分
は絶対収束する。
以上のことより、p>0、q>0のとき
は絶対収束し、
は絶対収束する。
(証明終了)
なお、上の証明では次の定理を使っている。
定理2(比較判定法)
関数f(x)、g(x)は(a,b]で不定積分をもち、
であるとする。
このとき広義積分が収束すれば、広義積分も収束する。
区間[a,b)、[a,∞)、(−∞,b]についても同様である。
ベータ関数の定義
p>0、q>0に対して
で定義されるB(p,q)をベータ関数という。
さて、x=sin²θとおくと、
だから
とおくと、
したがって、
とベータ関数B(p,q)を定義することができる。
問 次の広義積分の値を求めよ。
【解】
だから、(2)式にp=1/2、q=1/2を代入すると、
(解答終了)
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