第4回 広義積分の収束判定法2
定理4 区間(a,b]でf(x)は連続で、
(1) 0<λ<1であるλについてが有界ならば、広義積分は(絶対)収束する。
(2) 0<λ<1であるλについてが有界ならば、広義積分は収束する。
【証明】
(1) 仮定によってaの近傍a<x<a+δ(δ>0)で
となる正数Mが存在する。
したがって、
0<λ<1だから、
と収束し、定理2、定理3により広義積分は収束する。
(2)は略。
(証明終了)
定理5 区間[a,∞)においてf(x)は連続で、λ>1であるλに関してが有界ならば広義積分は収束する。
【証明】
仮定より、十分大きなxに関して
となる正の定数Mが存在する。
よって、
t>aとすると
λ>1のとき
と収束するので、広義積分は収束する。
(証明終了)
問題 次の問いに答えよ。
(1) 0<s<1のとき広義積分が収束することを示せ。
(2) 0<s<1のとき広義積分が収束することを示せ。
【解】
とする。
(1) 0<x≦1において
よって、定理4より広義積分は収束する。
(2) x≧1で
また、x≧1では有界だからも有界。
したがって、定理5より広義積分は収束する。
(解答終了)
以上のことから、0<s<1のとき
は収束する。
無理やり定理4、定理5を使っている(^^ゞ
(1)は、次のように解くのがいいのでしょう。
【(1)の別解】
とおくと。
0<s<1のとき、x>0でf(x)は単調減少。
したがって、0<x≦1のとき
また、0<s<1より−1<s-1<0だから広義積分は収束する。
よって、広義積分は収束する。
(別解終了)
ここからは、s>0についての一般論。
s=1のときだから
s>1のとき、f(x)は閉区間[0,1]で連続だからは通常の積分でこの値は存在する。
したがって、の収束を議論すればよい。
をマクローリン展開すると
したがって、x≧0では
というこで、t>1とすると、s<nとなる正の整数nをとると、
n−s>0だから
したがって、広義積分は収束する。
以上のことから、s>0のとき
は収束する。
そして、これをガンマ関数という。
すこし議論が錯綜しておりますが(^^ゞ
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