第10回 漸化式で表された数列の極限1
具体的に問題を解くことによって、漸化式で表された数列の極限を求める基本的な解法を学ぶことにする。
その前に、総和記号Σの定義
公比r、初項aとする等比数列の一般項は
であり、第1項から第n項までの和は
である。
また、漸化式で等比数列を表すと
になる。
問題1
によって定義される数列について、次の問いに答えよ。
(1) 階差を調べてを求めよ。
(2) とおいて定められる数列を調べて、を定めよ。
(3) を求めよ。
【解】
(1)
②−①
したがって、数列は初項、公比1/2の等比数列。
よって、
(2)
したがって、数列は、初項c₁=a₁−6=−3、公比1/2の等比数列。
したがって、
(3)
(解答終了)
(1)では、
のとき
という階差数列の公式を用いてもよい。
問題2 数列がある。
なる関係があるとき、次の問いに答えよ。
(1) とおいて定められる数列を調べてを定めよ。
(2) を求めよ。
【解】
(1)
この逆数をとると、
t=1+3tとおき、この方程式を解くと
①の両辺から−1/2を引くと、つまり、1/2を加えると、
したがって、数列は初項、公比3の等比数列。
よって
(2)
(解答終了)
問題3 数列の項の間に次の関係がある。
(1) とおいてに関する漸化式を求めよ。
(2) をnの式であらわせ。
(3) を求めよ。
【解】
(1)
(2) ①より、数列は初項b₁=a₂−a₁=1、公比1/2の等比数列。
よって、
(3)
ゆえに、
(解答終了)
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