第4回 無限級数
§1 無限級数の収束、発散
無限級数が与えられているとき、
とおくと、数列が得られる。
この数列が収束するとき級数は収束するといい、収束しないとき発散するという。
そして、が収束するとき、すなわち、であるとき、この極限値Sを無限級数の和という。
例1
上の無限級数の第n部分和は
|r|<1のとき
だから、このとき数列は
であり、がこの無限級数の和である。
|r|≧1のとき、は収束せず、したがって、発散する。
以上のことから、
無限等比級数
は|r|<1のときに限ってに収束し、その和は
つまり、
例2 無限級数
は、発散する。
したがって、
で、
よって、は収束しない。
だから、①の無限級数は発散する。
§2 無限級数の基本的性質
定理1
とするとき、
である。
定理2 無限級数が収束するためには、でなければならない。
【略証】
とおくと、
さらに、
とすると、
(証明終了)
例2であげた無限級数
は、
であるが、この無限級数は収束しない。
したがって、定理2の条件は無限級数が収束するための十分な条件ではなく、必要な条件であることに注意。
問題1 次の無限級数に和があればそれを求めよ。
【解】
(1) これは初項a=1、公比r=1/2の無限等比級数。
|r|=1/2
< 1だから式(1)より
(2) 公比r=−√2、|r|=√2>1だから収束しない。
(3) 公比r=−1だから収束しない。
(4)
したがって、
つまり、|x|>1のとき、この級数は収束し、和は
|x|≧1では収束しない。
(解答終了)
問題2 次の無限級数は収束するか。
【解】
(1) 第n部分和は
また、
よって、
(2)
したがって、
よって、振動し、収束しない。
(解答終了)
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