第3回 確率変数と確率分布
§1 確率変数と確率分布
1〜6の目をもつサイコロを振り、出た目をXとすると、Xの目が出る確率は、次のようになる。
と定められる。
より一般的に書くと、次のようになる。
Xの値 | ・・・ | |||
確率 | ・・・ |
の値をとる変数Xに対して、の確率が与えられているとき、Xを確率変数という。また、確率変数Xとそれに対応する確率との対応関係を確率分布という。
確率変数のとる値がであるとし、それに対応する確率をとするとき、
である。
問1 1枚の硬貨を2回投げるとき、表の出る回数を確率変数Xとして、Xの確率分布を求めよ。
【解】
(1回目の結果、2回目の結果)と書くことにすると、全事象は、(裏,裏)、(裏,表)、(表,裏)、(表,表)の4通り。
表が0回出るのは、(裏,裏)の1通り。
したがって、表が0回出る確率は
表が1回出るのは、(裏,表)、(表,裏)の2通り。
したがって、表が1回出る確率は
表が2回出るのは(表,表)の1通り。
したがって、表が2回出る確率は
よって、確率分布は次の通り。
X | 0 | 1 | 2 |
確率P | 1/4 | 1/2 | 1/4 |
(解答終了)
問2 10本のくじがあって、そのうち、2本が当たりくじとする。3本引いてあたった回数をXとするとき、X本当たる確率を求めよ。
【解】
したがって、
X | 0 | 1 | 2 | 3 | 計 |
7/15 | 7/15 | 1/15 | 0 | 1 |
(解答終了)
§2 期待値(平均値)と分散、標準偏差
確率変数Xがの値をとり、それに対応する確率がであるとき、
をE(x)や、mなどであらわし、確率変数の平均値、期待値という。
また、
をやV(x)、σ²で表し、確率変数の分散という。
また、分散の正の平方根
を標準偏差という。
問3 白球4個と赤球3個が入っている袋から2個の珠を同時に取り出すとき、その中に含まれる白球の個数の確率分布を求めよ。また、期待値を求めよ。
【解】
取りざされる白球の個数をk(=0,1,2)に対応する確率をとする。
白球の個数 | 0 | 1 | 2 | 計 |
確率 | 1/7 | 4/7 | 2/7 | 1 |
したがって、平均値mは
(解答終了)
ちなみに、分散Vと標準偏差σは
問題 1と書いたカードが1枚、2と書いたカードが2枚、・・・・・・、nと書いたカードがn枚ある。この中から1枚取り出すとき、カードの示す数Xを確率変数とする。
(1) X=kである確率を求めよ。
(2) Xの平均値を求めよ。
【解】
(1) カードの数は全部で
したがって、は
(2) Xの平均値mは
(解答終了)
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