2016年12月18日日曜日

確率の初歩4 確率の定義

確率の初歩4 確率の定義


§1 確率の定義と用語の定義

標本空間 ある試行で起こりうる結果の全体集合
Sを標本空間、e₁e₂、・・・を標本空間の要素とすると
と表される。

事象 標本空間Uの部分集合。
ABSの部分集合とするとき、A∪B和事象A∩B積事象A余事象という。
A∩B=∅のとき、AB排反である、または、排反事象であるという。

確率の定義
事象Aの要素の個数をn(A)、標本空間Sの要素の個数をNとするとき、事象Aの起こる確率P(A)

例1 さいころを1回振る試行を考える。このとき、標本空間S
で、偶数の目、すなわち、2,4,6が出る事象をAとすると、
になる。
偶数の目が出る確率、つまり、事象Aの確率は、

§2 確率の基本的性質
(1) 任意の事象Aについて

(2) 標本空間Sの起こる確率は

(3) 空事象∅の起こる確率は

(4) 事象Aと事象Bが排反、つまり、A∩B=∅であるとき、ABの和事象A∪Bの起きる確率は
である。
A∩B≠∅のときは

(5) 事象Aの余事象の起きる確率は

例2 さいころを1回振るとする。偶数の目が出る事象をA、奇数の目が出る事象をB2以下の目が出る事象をCとすると、
ABの和事象A∪B
したがって、
また、A∩B=∅だから
①と②の結果は一致する。
また、ACの和集合A∪C
したがって、
また、
だから、
となり、③と④は一致する。
A∩B=∅だから
つまり、さいころの目が偶数かつ奇数である事象の起きる確率は0ということになる。
さらに、
だから、BAの余事象である。
よって、
と計算することもできる。


問1 1組52枚のトランプから4枚抜くとき、次の確率を求めよ。
(1) 2枚はクラブ、2枚はハートが出る確率
(2) 4枚とも同種類のカードが出る確率
(3) 4枚とも異なる種類のカードが出る確率
【解】
(1)
(2)
(3)
(解答終了)

問2 1から50までの番号をつけた50枚の札から1枚取り出したとき、その番号が2または3の倍数である確率を求めよ。
【解】
50以下の生成数の、2の倍数の集合をA、3の倍数の集合をBとすると、n(A)=25n(B)=16
また、「2の倍数」かつ「3の倍数」の集合は、6の倍数の集合なので、n(A∩B)=8
よって、
(解答終了)


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