第11回 漸化式で与えられた数列の極限2 隣接する2項の場合
前回にひき続いて、今回も漸化式で表された数列の極限の問題を解くことによって、その解法を紹介することにする。
今回は、漸化式の最も基本的な隣接する2項の場合。
問題1 次のように定められた数列の極限値を求めよ。
【解】
(1)
とおいて、これを解くとt=4。
の両辺を4で引くと
したがって、数列は初項、公比1/2とする等比数列。
(2)
とおいて、tについて解く。
で、
の両辺を5で引き、さらに(分子の)有理化をはかると、
ここで、両辺の絶対値をとる。
だから
したがって、①より
だから、
で、
よって、
(3)
よって、
と解くことができるが、こういう解き方は往々にして死を招きやすいのでやめたほうがよい。
の両辺の対数をとると、
そこで、
とおくと、
そこで、(1)と同様に
として、これを解くと
①の両辺から、2log2を引くと
(解答終了)
(2)、(3)から分かるように、漸化式で与えられた数列の極限を求める場合、必ずしも一般項を求める必要はない。
問題2 一般項が次のように与えられる数列の一般項を求め、と求めよ。
【解】
とおき、これを解く。
で、
とおくと、
両辺の逆数をとると、
したがって、数列は初項−1、公差−1の等差数列。
(解答終了)
なのですが、
と順次計算し、これから
を推測する。
――分子は2ずつ増え、分母は1ずつ増えているのだから、上のように推測できる――
それから、
数学的帰納法を使って
と仮定し、
k=nのとき
k=n+1のとき
として解くんだろうな、きっと。
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