第11回 行列を用いてテンソルを表現すると1
任意の点Pの直交座標軸x¹、x²、x³軸に関する座標をx¹、x²、x³、また、直交座表示x'¹、x'²、x'³軸に関する座標をx'¹、x'²、x'³とすれば、
とあらわすことができる。
x¹、x²、x³軸の基本ベクトルe₁,e₂、e₃、x'¹、x'²、x'³軸の基本ベクトルe'₁,e'₂,e'₃との間には
という関係がある。
(1)式の左辺にこれを代入すると、
(3)式を行列を用いて表現すると、
となる。
問 直交軸の変換(2)によって
となることを示せ。
【解】
(3)より
第1式、第2式、第3式にそれぞれを掛け、辺々を加えれば、
よって、
(解答終)
なお上の計算では、
などが使われている。
ここで、
すなわち、クロネッカーのデルタである。
(5)式を行列を用いて表現すると、
となる。
ここで、(4)の行列を
とおくと、行列Aの成分とすると、
という関係がある。
そして、この行列Aの行と列を入れ替えた行列、すなわち、転置行列は
となり、(6)式に現れる行列になる。
したがって、(4)式は、この行列Aを用いると、
さらに、(6)式は
である。
(8)式に(9)式を代入すると、
となり、Aは直交行列である。
なお、ここでIは単位行列
そして、行列Aの逆行列をA⁻¹とすると、
である。
問の解は、クロネッカーのデルタなどを使っていて非常にわかりづらいと思うけれど、実は、
と同じ計算を行っているのであった。
そして、この結果を成分について書くと、
となるのであった。
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