最小2乗法による近似式の決定
§1 最小2乗法による近似多項式の求め方
n個のデータがあるとする。
このデータがm次の多項式(m≦n+1)
に沿っているとし、
が最小になるようにm次多項式(1)の係数を定める方法を最小2乗法という。
最小2乗法では、
とおいたとき、(2)式が最小になるようにを定めるので、
にならなければならない。
したがって、
でなければならない。
ところで、
となるので、(4)式は
ここで、
とおくと、(5)式は
となる。
したがって、この連立方程式(7)を解くことによって、多項式(1)の係数を定めることができる。
特に、m=1のとき、すなわち、
のとき、(7)は
ここで、
となるので、(8)は
これを解くと、
ここで、
したがって、統計学の回帰直線と一致する。
§2 プログラム
n個のデータをもとに、最小2乗法を用いてm次の近似多項式を求める連立方程式は(6)、(7)式から与えられる。
(6)、(7)から与えられる連立方程式をガウス消去法を用いて解くことにすると、例えば、次のようなプログラムを作ることができる。
real x(20),y(20) !xとyのデータは20個まで
real c(0:10) ! 近似多項式の係数(10次まで)
real y_c(20)
data x/20*0/ ! x(i)の初期化
data y/20*0/ ! y(i)の初期化
write(6,*) "データの個数nを入力"
read(5,*) n
write(6,*) "データの入力"
read(5,*) (x(i), i=1,n) ! xのデータをn個入力
read(5,*) (y(i), i=1,n) ! yのデータをn個入力
write(6,*) "近似多項式の次数mを入力"
read(5,*) m
call lsm(x,y,n,m,c)
write(6,*)
! 近似式の係数の表示
write(6,*) "近似多項式の係数"
do i=0, m
write(6,100) 'c(',i, ')=', c(i)
end do
write(6,*)
! 計算結果
write(6,*) " x(i) y(i) 計算値"
do i= 1, n
s = 0
do j=0, m
s = s + c(j)*x(i)**j
end do
y_c(i)=s
write(6,110) x(i), y(i), s
end do
open(1,file='lsm.dat', status='replace')
do i=1,n
write(1,120) x(i),y(i),y_c(i)
end do
100 format(a,i2,a3,f10.7)
110 format(f10.7,2x,f10.7,2x,f10.7)
120 format(f10.7,x,f10.7,x,f10.7)
end
! ここから下は変えないほうがよい(^^)
! 最小二乗法
subroutine lsm(x,y,n,m,c)
real a(0:50,0:51)
real x(20), y(20), c(0:10)
real s(0:20), t(0:10)
! 係数の初期化
do i=0, 2*m
s(i) = 0
end do
do i=0, m
t(i)=0;
end do
! 係数を計算
do i=1, n
do j=0, 2*m
s(j) = s(j)+x(i)**j
end do
do j=0, m
t(j)= t(j)+x(i)**j * y(i)
end do
end do
! 係数行列に値をセット
do i= 0, m
do j=0, m
a(i,j) = s(i+j)
end do
a(i,m+1) = t(i)
end do
! ガウス消去法で連立方程式を解く
call Gauss(a,m)
do i=0, m
c(i) = a(i,m+1)
end do
end
subroutine Gauss(a,n) ! ガウス消去法
real a(0:50,0:51)
! foward marching process
do k=0, n-1
! ピボット選択
i_max = k
do j=k+1, n
if (abs(a(k,i_max)).lt.abs(a(k,j))) i_max = j
end do
if (i_max.ne.k) then
do j=k,n+1
w=a(i_max, j)
a(i_max, j) = a(k,j)
a(k,j) = w
end do
det=-det
end if
if (abs(a(k,k)).lt.eps) then
det =0.
return
end if
! ピボット選択終わり
do i=k+1, n
t=a(i,k)/a(k,k)
do j=k+1, n+1
a(i,j)=a(i,j)-t*a(k,j)
end do
end do
end do
! backward marching process
do i=n,0, -1
d = a(i,n+1)
do j= n, i+1, -1
d=d- a(i,j)*a(j,n+1)
end do
a(i,n+1)=d/a(i,i)
end do
end
たとえば、次の3個のデータ
(1,1)
, (2,5), (3,8)
をもとに2次の近似多項式を求めると、次のようになる。
さらに、次の7個のデータ
(−3,5),(−2,−2),(−1,−3),(0,−1),(1,1)、(2,4),(3,5)
をもとに5次の近似多項式を求めると、次のようになる。
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