2017年10月20日金曜日

第17回 ひずみテンソル

第17回 ひずみテンソル


固体内の1点Pが外力を受けてP'に移動したとする。
とおき、点Pの座標をとすると、vの関数になる。
また、点Pの近くの点Qの座標をとし、外力を受けて点QQ'に移動したとする。
とすれば、
だから、点Pに対する点Qの相対的な変位は
となる。
vの成分をとし、2次の項を無視すると、
はテンソルの成分だから、とおくと、(1)式は
テンソル
と対称テンソル、交代テンソルを用いて
とすると、相対的変位は
となる。
は交代テンソルだから
とおくと、はベクトルの成分となり、これを成分とするベクトルをwとすれば、
よって、(2)式の右辺第1項は変位に伴う純粋な歪をあらわし、第2項はのまわりを回転する起きる変位と考えることができる。したがって、歪は対称テンソルで表されると考えられる。
これを行列で表わせば、
である。

は対称テンソル。その主方向を歪の主方向といい、その成分を係数とするテンソル2次曲面
をひずみの2次曲面という。ひずみテンソルの主値をとし、座標軸の方向を主方向にとるとき、ひずみテンソルの成分は
になる。

また、ひずみを表すテンソルが対称テンソルであるとき、
であるから、このとき、
となるポテンシャルφが存在する。
このとき、ひずみテンソルの成分は、
となり、このφひずみポテンシャルという。

問 直交座標系O-xyzにおいて、ひずみポテンシャルφ
であるとき、O-xyzに関するひずみテンソルを求めよ。
【解】
したがって、ひずみテンソルは

0 件のコメント:

コメントを投稿