第6回 テンソルの新たな定義
§1 テンソルの新たな定義
2つのベクトル
の各成分の積を作ると9個の数
が得られる。この9個の数の組をベクトル
と
の積といい、これを
、または、単に
であらわし、
の各々を積の成分という。
直角座標の変換
によって
したがって、
これがベクトルの積の成分変換式である。
9個の数の組を
、すなわち、
とするとき、これが直交変換(1)によって
のように変換されるとき、これら9個の数の組をテンソルといい、
の各々をテンソルの成分という。
以後、
を成分とするテンソルを
であらわすことにする。
2つのテンソルを
とする。
このとき、
はテンソルであり、これをテンソル
と
の和という。
また、
もテンソルであり、これをテンソル
と
の差という。
テンソルであることの証明。
とすると、
したがって、
とおけば、
よって、テンソルである。
また、φをスカラーとするとき、
はテンソルであり、これをスカラーφとテンソル
の積という。
問1 φをスカラー、
をテンソルとするとき、
がテンソルであることを示せ。
【解】
よって、
とおくと、
(解答終)
問2 クロネッカーのデルタ
はテンソルであることを示せ。
【解】
とする。
となるので、クロネッカーのデルタ
はテンソルである。
(解答終)
§2 対称テンソルと交代テンソル
テンソル
の成分に関して
が成り立つとき対称テンソル、
が成り立つとき交代テンソル(反対称テンソル)という。
問
が成り立つとき
、また、
が成り立つとき
が成り立つことを示せ。
【解】
(解答終)
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