第9回 ベータ関数、ガンマ関数の定積分の計算への応用1
この話をする前に、復習をかねて、ガンマ関数とベータ関数の重要な性質について記す。
ガンマ関数とベータ関数の定義
ガンマ関数の重要な性質と値
ベータ関数とガンマ関数の関係
上記のガンマ関数とベータ関数の性質を使って、実際に、定積分の値を求めることにする。
問1 ベータ関数とガンマ関数を使い、次のことを証明せよ。
【考え方と解】
問の積分をベータ関数に帰着させるために、
とおき、置換積分を施す。
このとき、
そして、積分区間の限界については、x=0のときt=0、x=βのときt=1になる。
また、
これで準備はすべて整った。
これを使って、(1)、(2)、(3)の計算をすることにする。
(1)
そして、
とベータ関数に帰着させることができる。
だから、
(2)
そして、
したがって、
(3)
(考え方と解終了)
(1)と(2)ならば、
と計算したほうが速いけれど、ガンマ関数とベータ関数の定積分の計算への応用のコツをつかむために、あえてこのように計算した。
問2 次の広義積分の値を求めよ。
【解】
この積分をベータ関数に帰着させるために、とおくと、p=q=1/2になるので、
(解答終了)
0 件のコメント:
コメントを投稿