2017年2月10日金曜日

部分分数への分解の便利な方法

部分分数への分解の便利な方法


つかぬことをお伺いしますが、
を部分分数に分解するとき、皆さんは、どのような方法を使ていますか?

「こんな初歩的なことを聞くとは、ネムネコ、相当数学の記事のネタに困っているようだ。そうでなければ、焼きが入ったか?。これはこうやって解くもんだ。
分子を展開し、多項式の係数を比較すれば出てくる。」

「なるほどなるほど、正攻法ですね。しかし、ネムネコは計算が苦手だから、間違った答えにたどり着く確信があります。
そこで、たとえば、こう計算したらどうでしょう。
こういう方法は駄目ですか?」

「たしかに、こう計算すれば、連立方程式を解かなくていい。しかし、技巧的で一般性のない解法だ。こんな解法は認められない!!」

「じゃぁ、こうしたら。
ですから、両辺にx−1をかけると
x=1を代入すると、
同様に、①式にx−2をかけと
これにx=2を代入すると、
同様に、①式にx−3をかけると
x=3を代入すると
つまり、
のとき、
として計算できる。
ただし、
これならば一般性のある解法で問題はないと思いますが、駄目ですか?」

「ネムネコ、お前、この解法を知っていた質問したろ!!」

「濡れ衣です。私はこのような解き方を他人(ひと)から教えてもらったことはありませんし、数学の本で読んだ記憶もありません。」

さてさて、この架空の対話の真偽は別にして、この手法を用いて、次の問題を解くことにする。

問題 次の分数を部分分数に直せ。
【解】
と分解できたとする。
②にx+2をかけると
x=−2を代入すると
②にx−3をかけると
x=3を代入すると
②にをかけると
だから、x=0を代入すると

しかし、
②にxをかけると
だから、x=0を代入してaを求めることは出来ない。
工夫が必要!!

をかけた③式
の両辺をxで微分すると、
これにx=0を代入すると
これですべての係数が求まった。
答えは
(解答終了)

この手法は複素関数の留数を求めるときに用いる手法なのだけれど、部分分数への分解にも利用できる便利な方法なので、知っておくと何かと便利ですよ。


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