2017年2月19日日曜日

第2回 三角形の合同条件

第2回 三角形の合同条件


小中学校で、次の3つの三角形の合同条件を習ったと思う。
今回は、前回、導入した公理に基づいた証明を紹介する。

定理6 三角形の合同条件
(1) 2辺と挟角相等
(2) 1辺と両端の角相等
(3) 3辺相等

【証明】
(1) △ABCと△A’B’C’において、AB=A’B’AC=A’C’、∠A=∠A’とする。
A'B'C'を移動させ、AA’が一致するように、半直線ABA'B’を重ねる。
AB=A'B'だから、BB'は重なる。
また、∠A=∠A’だから、半直線ACA’C’も重なり、AC=A'C'だから、CC’は重なる。
2点BB')とCC')を通る直線は1本なので、BCB'C'は重なる。
よって、
△ABC≡△A’B'C'

(2) △ABC、△A’B’C’において、BC=B’C’、∠B=∠B’、∠C=∠C’とする。
BC=B’C’であるから、△A’B’C’を移動してB’BC’Cに重ねると、辺B’C’と辺BCに重なる。
B=∠B’、∠C=∠C’であるから、B’A’BAが重なり、C’A’CAに重なる。
2直線の共有点は1だけだから、A’Aは重なる。
よって、△ABC≡△A’B’C’である。
(証明終わり)

(3)のの証明のために次の定理を証明する。

定理7 二等辺三角形の底角は等しい。
【証明】
ABCを裏返して、ABCA’B’C’になったとする。
図形を裏返しにしても形や大きさは変わらないから△ABCと△A’C’B’において
AB=AC=AC’
AC=AB=A’B’
BAC=∠C’A’B’
よって、△ABC≡△A’C’B’ (二辺挟角相等)
∴ ∠ABC=∠A’C’B’=∠ACB
(証明終わり)

そして、この定理7を用いて、定理6の(3)を証明することにする。

定理6の(3)の証明
BC=B'C'だから、△A'B'C'を移動してB’BC'Cとを重ねると、辺B'C'と辺BCは重なる。
そこで、A'が直線BCに関してAと反対側にくる点をDとする。
BDABD=BAの二等辺三角形なので、∠BDA=∠BAD
また、△CADCA=CDの二等辺三角形なので、∠CAD=∠CDA
よって、∠BAD=∠BDA
定理6の(1)の2辺挟角相等より、△ABC≡△DBC
∴ △ABC≡△A'B'C'
(証明終)


問題 「ABA'B'AC=AC'、∠ABC=∠A'B'C'ならば△ABC≡△A'B'C'である」は正しいか。
【解】
反例として、次の三角形を上げれば十分でしょう。
つまり、正しくない。



(解答終)

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