第2回 三角形の合同条件
小中学校で、次の3つの三角形の合同条件を習ったと思う。
今回は、前回、導入した公理に基づいた証明を紹介する。
定理6 三角形の合同条件
(3) 3辺相等
【証明】
(1) △ABCと△A’B’C’において、AB=A’B’、AC=A’C’、∠A=∠A’とする。
△A'B'C'を移動させ、AとA’が一致するように、半直線ABとA'B’を重ねる。
AB=A'B'だから、BとB'は重なる。
また、∠A=∠A’だから、半直線ACとA’C’も重なり、AC=A'C'だから、CとC’は重なる。
2点B(B')とC(C')を通る直線は1本なので、BCとB'C'は重なる。
よって、
△ABC≡△A’B'C'
(2) △ABC、△A’B’C’において、BC=B’C’、∠B=∠B’、∠C=∠C’とする。
BC=B’C’であるから、△A’B’C’を移動してB’をB、C’をCに重ねると、辺B’C’と辺BCに重なる。
∠B=∠B’、∠C=∠C’であるから、B’A’とBAが重なり、C’A’もCAに重なる。
2直線の共有点は1だけだから、A’とAは重なる。
よって、△ABC≡△A’B’C’である。
(証明終わり)
(3)のの証明のために次の定理を証明する。
定理7 二等辺三角形の底角は等しい。
【証明】
△ABCを裏返して、A、B、CがA’B’C’になったとする。
図形を裏返しにしても形や大きさは変わらないから△ABCと△A’C’B’において
AB=AC=AC’
AC=AB=A’B’
∠BAC=∠C’A’B’
よって、△ABC≡△A’C’B’ (二辺挟角相等)
∴ ∠ABC=∠A’C’B’=∠ACB
(証明終わり)
そして、この定理7を用いて、定理6の(3)を証明することにする。
定理6の(3)の証明
BC=B'C'だから、△A'B'C'を移動してB’とB、C'とCとを重ねると、辺B'C'と辺BCは重なる。
そこで、A'が直線BCに関してAと反対側にくる点をDとする。
△BDAはBD=BAの二等辺三角形なので、∠BDA=∠BAD。
また、△CADもCA=CDの二等辺三角形なので、∠CAD=∠CDA。
よって、∠BAD=∠BDA。
定理6の(1)の2辺挟角相等より、△ABC≡△DBC。
∴ △ABC≡△A'B'C'
(証明終)
問題 「AB=A'B'、AC=AC'、∠ABC=∠A'B'C'ならば△ABC≡△A'B'C'である」は正しいか。
【解】
反例として、次の三角形を上げれば十分でしょう。
つまり、正しくない。
(解答終)
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