2017年2月15日水曜日

第57回 留数定理の定積分への応用 問題編2

第57回 留数定理の定積分への応用 問題編2


タイプⅡ 
f(z)は複素平面の上半平面(Imz≧0)で有限個の極を除いて正則であり、実軸上に極を持たず、かつとする。
このとき、
特に、f(x)が偶関数のとき、


問題1 次の積分の値を求めよ。
【解】
とおくと、これはタイプⅡの条件を満たす。
何故ならば、|z=Rを十分大きく取ると
で、f(z)の上半平面の極はの3点であるから。
極は1位の極だから、留数は
したがって
(解答終了)

留数の計算には
で、αg(z)の1位の零点であるとき
を使っている。
この問題の場合、h(z)=z⁴g(z)=z⁶+1として計算している。

また、|z>1のとき
を使っている。

ちなみに、
の不定積分は
となるので、この不定積分の結果を利用し
を求めることも可能である。


問題2 次の定積分の値を求めよ。
【解】
(1)
とおくと、これはタイプⅡの条件を満たす。上半平面のf(z)の極はz=iだから、留数は
f(z)は偶関数だから、留数定理より

(別解)

(2) この積分もタイプⅡの条件を満たす。
となるので、f(z)は上半平面にz=iの2位の極を持つ。
したがって、留数は
f(z)は偶関数だから、留数定理より
(解答終了)

なぜ、f(z)(z−1)²をかけて微分をすると留数が求まるかですがこれはこういう仕組み。

f(z)z=aの2位の極をもつとすると、この関数のローラント展開の主要部は
になる。
この両辺をzで微分すると

mm>1)位の極を持つ場合、


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